:さきほどのセルジオの投資家向けプレゼンテーションの中で、特に面白いのは、「アルファ ロメオは過去にレースでこんなに強かったのに、商業的にはぜんぜん成功していない」とハッキリ言い切っているところですね。

プレゼン資料に書いてあるのは「(アルファは)レースで数多くの栄光を掴みながら、それが経営的な成功につながることはまったくなかった」というところでしょうか。ホンマ、ハッキリ言いますなあ。

F:アルファ ロメオがレースで強かった? あまりレースで強いというイメージはありませんが。

:例えば第1回と第2回のF1は、アルファ ロメオが連続優勝しているんです。フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリ氏はアルファ ロメオのレース部門の総責任者であり、ワークスドライバーでもあったんです。

F:へぇ。最初のF1はアルファが優勝。知らなかった。

「我々は過去のDNAに敬意を払ってこなかった」

:1910年にブランドができてから、アルファの歴史が即ちレースの歴史と言ってもいいような時代が続いていたんです。最初の世界選手権で勝って、最初のF1でチャンピオンを取って。それが徐々に勝てなくなっていった。そしてスポーツカーの世界でもドイツ勢の方がイメージが上がってきた。今のアルファはもうぜんぜんダメじゃないかと。昔は勝ったけど、今は弱くて、おまけにビジネスとしても成功しているとは言い難いじゃないか、と。

F:へー! トップ自らが自己批判をした。

:はい。もう自虐的に。「我々はデザインを除いては、過去のDNAに敬意を払ってこなかった。我々のドイツの競合は、もう何年も前に我々の何歩も先を歩いている。これからはドイツ勢に追随するのではなく、自分自身をベンチマークとして打ち出していこうじゃないか」と。こんなことをオフィシャルに言っているんですね。

F:それは面白いですね。すごいな。それでこのジュリアで、走りの面でビジネスの面も含め、起死回生を図ろうと。

:その通りです。今回のジュリアで、ドイツ勢と真正面から向き合おうと。

F:するとライバルは、ベンツのCクラスとBMWの3シリーズということになりますか。

:そうですね。あとはアウディのA4です。

懐かしのDTMの写真を使うのも「ドイツメーカーに勝つぞ!」というアピールだ。

F:A4はライバルになるのですか? あのクルマはFFですよね。FRになった新しいアルファとは土俵が違うのでは?

:確かにA4はFFですが、 Dセグのプレミアムセダンという意味では明確に仮想敵になります。アウディさんは「縦置きのFFプラス4駆」というレイアウトにこだわりを持っていらっしゃるので、やはりとても強いです。あとはジャガーさんもライバルですね。

F:へぇ? ジャガーも。なんかもうぜんぜん別世界のイメージですが。

アルファって、どのくらい売れていると思います?

:サイズ感、価格感、ブランド感、という意味で、やはり同時に検討されるお客様はいらっしゃいます。

F:お客は「サイズ、価格、ブランド感」で比較する。なるほど、これはおもろい。

:外から見ると、アルファってそこそこ売れているブランドに見えますよね。でも……

F:でも?