4Cという「特殊」なミッドシップモデルを別にすれば、ジュリアは2011年(日本導入、本国では2010年)のジュリエッタ以来、6年ぶりに登場したアルファ ロメオの新型車である。欧州の強豪ひしめくプレミアムセダンクラス。この市場に打って出るには、相当な覚悟と準備とそれを裏付ける資金が必要だ。

 アルファ ロメオはこのクルマを開発するに際し、およそ2年間にもわたり、FCAの全てのプロジェクトから隔離した環境で、つまり「地下に潜って」、新しいエンジン、新しいプラットフォーム、そして新しいトランスミッションの開発を続けてきたという。プレミアムセダンの市場を制圧するジャーマン3(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの3社を輸入車業界ではこう呼ぶ)に対抗すべく、言わばイタリアの“地下組織”が作り上げたクルマ。果たしてその仕上がりは如何なるものだろう。

ジャーマン3への刺客、その腕の程は

 ジュリアのプラットフォームは、エンジン縦置きのFR(及び4WD)専用である。位置づけとしては159の後継機種とされているが、FFレイアウトのそれとは似ても似つかぬモデルであり、全てを刷新した完全なニューモデルである。アルファ ロメオは、このジュリアにより、悲願とも言えるアメリカ市場への再進出を目論んでいる。

 日本で展開されるモデルは、最廉価版446万円の「GIULIA(ジュリア)」から、怪力無双510馬力の2.9リッターV6ツインターボを搭載した1132万円「GIULIA QUADRIFOGLIO(ジュリア クアドリフォリオ)」まで4種類。スリーサイズは、全長がモデルにより1、2センチ異なり、全幅と全高はいずれも1,865mm×1,435mmである。QUADRIFOGLIOだけが後席2人掛けの4人乗りで、他の3車種は後席が3人掛けの5人乗りである。

 今回は、4WDの「GIULIA VELOCE(ジュリア ベローチェ)」を含め、3モデルにそれぞれ1週間ずつ試乗した。

 全てのモデルに共通する美点は、その「回頭性」の良さにある。

 あぁ、これこそがスポーツセダン、と唸らされるアタマがクルッと向きを変える気持ちの良さ。「ジュリアのどこが良いですか?」と聞かれれば、間違いなく「それは回頭性です」と返答する。

 全てのモデルについて細々と語るのはアレなので、話を絞ってお伝えしよう。

 強烈に印象に残ったのは、やはりフラッグシップモデルたるQUADRIFOGLIOである。
 500馬力超が僅か1132万円で買えてしまう「お買い得」モデルである。
 ライバルはズバリ、メルセデスのC63、BMWのM3になろう。

GIULIAのフラッグシップモデル、QUADRIFOGLIO。510馬力の力持ちである。派手なエアロを纏っていないところが潔い。
GIULIAのフラッグシップモデル、QUADRIFOGLIO。510馬力の力持ちである。派手なエアロを纏っていないところが潔い。

女子大生の娘とドライブ

 今回は、久しぶりに娘とドライブに出かけた。

 取っ替え引っ替えで試乗車が入れ替わる拙宅である。クルマに関してはすっかりスレてしまった大学生の娘ではあるが、QUADRIFOGLIOの横に付くエンブレムに目を奪われたようだ。

:パパぁ。あの白いクルマはなあに?

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 娘が私を呼ぶ際、鼻に抜けた声で最後に「ぁ」をつける時は怪しい。大抵は服が欲しいとかお寿司が食べたいとか言うオネダリの時である。

F:あれはアルファ ロメオというイタリアのクルマだよ。珍しいね、君がクルマに興味を示すなんて。

:横に付いている葉っぱのマークが可愛いな、と思って。

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