「男子たるもの、やはりポルシェに乗らねばイカンのだ」

 料金所を過ぎてからの長い直線の上り道。アクセルペダルを強く踏み込むと、車体は弾かれたように突き進んでいく。一発目の左カーブ。ハンドルを当てると実に素直に曲がっていく。無論電子制御はバンバンに効いているのだが、“乗せられている感”は一切ない。四つのタイヤは全て吾が手中に在る。

 オープンボディなのにこの異様なまでに高い剛性感はどうだ。一切の妥協が無い。1ミリのスキもない。世界中のすべてのスポーツカーエンジニアが手本にするスポーツカーの頂点。

 ああ、世界最高峰のスポーツカーの頂点よ。男子たるもの、やはりポルシェに乗らねばイカンのだ。例え長大なローンを抱えてでも、嫁を質に入れてでも、ポルシェのハンドルを握らねばならんのである。

 何事にも代え難いこの快感。そしてこの高揚感。どのクルマとも違う極上のドライバビリティ。3.8リッター水平対向6 DOHC 24バルブのターボエンジンが絞り出すパワーは、今やその数字を聞いても驚かない540馬力である。最新のNISSAN GT-Rより30馬力も低いのだ。

 数字だけでは語れないこの魅力。
 媚びず衒わず我が道を行く、質実剛健を極めたドイツの良心。

 不肖フェル、この試乗で決めました。次のクルマはやっぱりポルシェにします。

 ということで特別編の高級外車イッキ乗り大会はこれでおしまいです。

 来週からは日本が誇る魔性のスーパーカー。NISSAN GT-Rの大特集をお届けします。

 R35もついに今年で満10歳。水野GT-Rから田村GT-Rへ。最新のGT-Rはどのように進化したのか。お楽しみに!

■変更履歴
1ページ本文中
タラバガニとあったのは
ズワイガニ
の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
本文は既に修正済みです。 [2017/2/20 9:45]
ランボと僕と「スーパーカー消しゴム」

先週・今週と連続でお伝えした「2017 JAIA試乗会」のリポート、お楽しみいただけましたでしょうか? みなさんこんにちは。編集担当のY田です。

今回、これまで眺める対象でしかなかったクルマたちに試乗させていただいたわけですが、個人的に一番印象に残ったのはランボルギーニ・ウラカンLP580-2でした。

エンジンは、5.2リッターV10 DOHC 40バルブ580馬力。もちろん、爆音。
エンジンは、5.2リッターV10 DOHC 40バルブ580馬力。もちろん、爆音。

「フツーのクルマのつもりでアクセルを踏んだらリアタイヤから思いっきり白煙が上がり、はたまた、突如としてロケットのようにかっ飛んだかと思うと、調子に乗ってステアリングを切ったらオーバーステアでコマのように回っちゃって…」

ステアリングを握る前の、私の脳内未来映像です。で、実際はどうだったかと言うと…。

「えぇ~、こんなに運転しやすいの…」

いやいや。本当に驚きました。フェルさんの言うとおり、「安心安定安全の、素っカタギのスーパーカー」です。私、当欄の編集担当ではありますが基本的にドシロウトですので、以下、“お上りさん”的なインプレッションであることをご容赦いただきながらお読みください。

まず、カーブを走り抜けるのが楽しい。路面に吸い付くような感覚で、もっとアクセルを踏み込んでも優しく深く受け止めてくれそうな安心感。この手のクルマは足回りが硬く、下からの突き上げがキツイのでは…と思っていたのですが、とっても“しっとり”。ちなみに、私はストラーダモード(市街地走行向け)で運転しましたので、スポーツモード(スポーツ走行向け)やコルサモード(サーキット走行向け)だとまた違ってくるのでしょうが。

自動的にシフトアップ&ダウンしてくれるオートモードも、また楽しい。比較的低回転域でシフトアップするのは意外でしたが、ギクシャク感は全くなく、ブレーキを踏んだ際に勝手にやってくれる、ブリッピングも結構な快感。もう完全なマニュアル感覚です。ちなみに、ステアリングに備えられているパドルを使って自分でシフトチェンジもできるのですが、ちょっと使っただけでやめました。オートモードの方がよっぽどお上手ですので。

蛇足ですが、カーナビのガイダンスの女性の声が、これまた上品(笑)。まぁ、音声については、ランボルギーニ仕様なのかどうかはわかりませんが。

最後にもう一つ、蛇足話を。試乗後、つい思い出してしまったのが、小学生時代に流行ったスーパーカー消しゴム。私と同じような年代の方は、スーパーカー消しゴムのレースに熱中したことがあるのではないでしょうか。

ボールペンのノック機能を使ってスーパーカー消しゴムを弾き、競うレースです。(摩擦を減らして)走行距離を伸ばすため、タイヤに速乾性のボンドを塗ったり、はたまたホチキスの針を埋め込んだり、ボディー下部をカッターで削って軽量化を図ったり…。ボールペンのノック部分のバネを取り出し、弾力強化のために伸ばしたりもしましたね。

で、当時、私の周りで一番人気だったのが、ランボルギーニ・カウンタックでした。

ちょっと気になってネットで検索してみたら、スーパーカー消しゴム、オークションサイトで結構扱っているようです。4ケタ万円の本物を買う財力は自分にはありませんので、消しゴムで我慢ですかね。

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