:いやいや、そうはいかない。そこを一気にいくと、またいつものように「マツダは自惚れている」と怒られてしまうので(苦笑)。

F:なるほど(笑)。さて、デザインの話を伺い、残存価値が高まったお話も伺いました。それでは最後に肝心のエンジンの話を。モーターショーでも目玉だった、衝撃のエンジン「SKYACTIV-X」。あの進行状況を教えてください。

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:これは何とか成功させたいと思っています。

F:実際に量産車に積んで売り出されるのはいつ頃ですか?

:2019年を予定しています。

広報小林嬢:そのときは、SKYACTIV-Xというエンジンだけでなく、全体を含めての発表、という形になります。

:我々が「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー)」と言っているヤツですね。

F:エンジンやプラットフォームを含めて、ということですか。

:ええ。ですがウチはもう「プラットフォーム」という言い方をやめているんです。プラットフォームって、一体どこまでを含むんだ、という話にいつもなるので。だからマツダでは、自動車設計のすべてを包括してビークル・アーキテクチャーと呼んでいます。まったく新しい開発思想で造っているんです。

F:「まったく新しい開発思想」って、自動車会社がよく使うフレーズですよね。消費者側としては、「またか……」という感じで(笑)。

「虫谷がいろいろやってますから」

マイトのY:な、なんてことをあんた……。

:ご期待ください。虫谷がいろいろやっていますから。

F:お! 操安の求道者、ムッシー虫谷!

マイトのY:だからそれはあんたしか言わないアダ名で……(虫谷さんについては「また広島へ!? 車内で受ける"骨太講座"」以下を参照。3年前のこの「虫谷編」の最後で、モロにこれ以降の話に繋がることをお話されています)。

:あいつがね、人間の骨盤を立てると脊柱がこうなって、クルマが傾くと骨盤がこう動くから、人間はこう反応する……。このあたりをうまく使ってクルマを造ります、とかワケの分からんことを言っています。今(苦笑)。

F:骨盤を立てるのは、あらゆる運動の基本ですよね。ランでもエキスパートに走り方を教わると、それぞれ表現の方法は違っても、とどのつまりは例外なく「骨盤を立てて走りましょう」と言いますもの。カーヴィングのスキーでもそうです。

:そうでしょう。骨盤を正しく立てると、脊柱が非常にフレキシブルになって動くらしいんですわ。

F:マツダの操安も、いよいよスポーツ力学の世界に入ってきましたね。すると、ダラッとだらしなく座って運転するのはダメということですね。骨盤が寝てしまうから。

:ええ、虫谷もダラッと座ったらダメと言っていました。人間って、歩いているときは骨盤が立っているでしょう。骨盤を立てて歩いて動作に入ると、それにつれて脊柱が動く。右足を踏み出したら、脊柱がこう曲がって、頭を安定させる。それと同じ動きをクルマでもやろうと。

F:その「歩くみたいに乗れる」試作車はあるんですか?

:あります。私も実際に乗りました。本当にこう、歩いているような感覚です。全然違和感がないんです。それをして「違和感のない違和感」なんて言う人もいます。

現行のアクセラの衣をまとった試作車
現行のアクセラの衣をまとった試作車

F:それは乗ってみたいな。試乗会はないのですか。

:これはこの前、美祢の試験場でやりましたよね。

F:ご案内をいただいていないです。

広報小林嬢:えーと……あのですね。

F:こうなりゃもうボロクソ書いてやる(笑)。

:(全部スルーして)ともかく、次に出るクルマは、SKYACTIV-Xというエンジンとともに、一番のウリは「違和感のない違和感」になります。従って、何が特徴なのかと聞かれると、説明するのが非常に難しい。ちょっと答えに窮してしまうところもあるのですが(苦笑)。

F:すると、鈍い人は乗っても分からないかもしれない。

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