F:中国市場に於ける欧州車のEV展開。またテスラの巨大なバッテリーを搭載する“賢明な”クルマ造り。EVに関する興味深いお話をたくさん伺いました。ところで当のマツダはどうされるのでしょう。マツダからハイブリッドではない、完全なEVはいつ頃発売されるのですか?
藤:2019年には出そうと言っています。
F:それは、新しい車種として出すのですか。アクセラEVとか、e-CX-5とかいうのではなく、まったく新しい車種名を作って売り出すのですか?
広報小林嬢:あの、そこまではちょっと……。
藤:それは言えませんね。今はね。
F:出しますね。これは(笑)。
藤:いやいやいやいや、何も言うてませんよ、私は(苦笑)。
F:「藤原氏は満更でもない、といった様子で笑みを浮かべ、“今はそれを申し上げる時期ではありません”と、含みを持つ発言をした」。こう書こう(笑)。
広報小林嬢:ちょっと! やめてください! 変なふうに書かないでください!

藤:先程お話ししたテスラは、カリフォルニアやニューヨークの富裕層に支持されて、高額でもキチンと売れています。我々マツダの辛いところは、今の段階で「高い値段でクルマが売れるブランドではない」、ということです。テスラが1000万円超で売れているからと言って、マツダが1000万円のEVを出したところで、いったいどこの誰が買うの?……という話になるじゃないですか。
F:そうでしょうか。結構売れるような気がしますが。
マイトのY:私も意外と売れるのではないかと思います。
藤:いや、現実問題それはなかなか難しいですよ。EVというのは、自動車会社のブランドとして、一番難しい部分に踏み込んでいかざるを得ないんです。我々だけでなく、日系のメーカーは皆さんとても辛いところだと思います。
F:なるほど。日系のメーカーは、どのような位置付けでEVを出すか、ブランディングについてみんな悩んでいる。
藤:私の個人的な推測ですけれど、日本の自動車メーカーでも、ブランドが立っているメーカーは(EVを)やりたいはずなんです。本当なら。
F:あー、なるほど。例えばレクサスなら既にブランドが立っているから、ある程度の値段でフルのEVを出しても許容される。この前出たLCなんか、EVで出したら面白いかもしれませんね。EVなら加速もスゴいし、クルマのイメージにもピッタリ適合する。値段も元から1000万を軽く超えているし(笑)。
藤:確かにイメージ的には良いかもしれません。ですが、スポーツカーとしてEVを出すとなると、技術的な課題はまだいろいろとありますよね。
F:課題の多くは電池ですね。熱の問題、耐久性の問題、重量の問題、どこにどう積めばいいかという大きさの問題、そしてあまり報道されない電池の筒の膨張問題。これら数々の問題も、全固体電池が実現すれば相当部分が解決するのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
藤:固体電池にしたって、まあそう簡単に一発でバシッと解決はできんですよ。
F:確かトヨタとデンソーとマツダで作った新会社は、全固体電池のEVを作るんですよね。その研究開発のための会社設立と聞いています。
藤:私は知りません。
F:既に報道されていませんか? 何かの記事でそう読みました。
藤:知らん知らん。正確な話は聞いていないです。これは本当に知らんです。
F:さっきのEVの新車種と違って、今回は完全否定ですね。こちらは本当に決まっていないようだ。だんだんパターンが分かってきたぞ(笑)。
藤:こりゃアカン。まずいなー(苦笑)。
広報小林嬢:あの、フェルさん。この辺はあのですね……。
F:知らん知らん(笑)。
広報小林嬢:他社さんとの兼ね合いもありますし、ひとつお手柔らかにですね……。
F:本当に知らんです(笑)。
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