トランプ大統領が突然ブチ切れてくれないだろうか

 走っている姿もさることながら、停止しているときの居住まいがまた良い。
特に前にガバッと開くエンジンフードを開けた時の姿がたまらなくカッコイイ。

 巨大な排気量のエンジンだが、覗いて見るとそれほどデカくはなく、OHVのV8は、重量配分に気を使い極限まで後ろに追いやられている。

 リアのハッチを開けると、意外なほど広い空間が広がっている。ゴルフに出かけるのはもちろんのこと、前後輪を外せばロードバイクを乗せることもできそうだ。こんなクルマでトライアスロンの大会に出かけたら、それはバカみたいに目立つだろう(笑)

 全高はわずか123センチ。グワッと広く、ペタンと低い。

 重いようでいて、実は軽い。

 トランプ大統領が突然ブチ切れて、「アメリカのクルマは自動車税をゼロにしろ!」とか「一台あたり100万円の補助金を出せ!」とか言い出さないだろうか。6リッター超えのクルマの自動車税額は、年間11万1000円ですからね。まあこの手のクルマを買う方は、そんな小銭を気にしたりはしないのだろうが。

 と、思ったよりも長くなってしまったので以下次号。

ATもいいけど、両手足を駆使して操作するMTもまた楽しい

こんにちは、ADフジノです

数週前のあとがき(「我々はそんなに性格悪くないですよ」)でトヨタCH-Rの開発者にうかがった話を少し書いたのですが、その際に、マニュアル仕様があると「運転が楽しいだけでなく、脳トレよろしく高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違え予防にも効果があると思うのですが」と書いたところ、読者の方から以下のようなコメントが寄せられていました。

「フジノさん。車メーカーで開発を担当している者です。踏み間違い事故の報道が盛んになった事もあり、(高齢者が)MTなら踏み間違いしないと言う声が大きくなっているように感じますが、実際はMTでも同じように踏み間違い事故は起きます。事故件数を調べて頂ければわかると思いますが、販売数の比率以上にMTでも踏み間違い事故は起きていると言う数字があります。その他にも、実際は若年者の事故数も多い事も、多くの方には正しく知られていない点ですが、思い込みで語りあってもポイントを外しかねません。世論が誤ってしまうと正しい対策に繋がらない危惧も生じます。ご一考ください」

私としては、ATが危険でMTが安全などというつもりはまったくなかったのですが、「脳トレよろしく~」と書いたことからそのような誤解を生んでしまったのかもしれません。いずれにせよ、せっかくの機会ですから、少しペダルの踏み間違い事故について調べてみました。

公益財団法人「交通事故総合分析センター(ITARDA)」の運転操作の誤りに関する交通事故統計データ(平成16年~25年の10年間)によると、24歳以下の若年層と、75歳以上の高齢者に操作不適事故が多いのだそうです。若年層の場合は、まだ運転に不慣れであることも要因として考えられるかもしれません。またペダルの踏み間違い事故というのは走っているときというよりは、高速道路のサービスエリアや店舗の駐車場など「道路以外の場所」で「発進時」に起きる可能性が高いのだそうです。さらに、高齢者の場合は「後退時」の事故割合も高くなっています。詳細なデータは、ITARDAのホームページに公開されていますので、興味のある方はこちらをご覧ください。

ところで、懸案のMTとATの比率に関するデータですが、ITARDAの担当者によると近年はAT比率が圧倒的に高く、警察からもトランスミッション別の事故データは公表されておらず、おそらくデータ収集もしていないのではないかとのことでした。ものは試しに国産乗用車の新車登録台数などを集計している日本自動車販売協会連合会(自販連)に、最新のAT:MTの販売比率について問い合わせをしてみたところ、最新の2015年のデータを教えてくれました。約10年前と比較してみると…。

平成18年 96.8%:3.2%
平成27年 98.4%:1.6%

まあ、半分になっていますから激減しているとも言えますが、そもそも数が圧倒的に少ない…。MT車はもはや絶滅危惧種といって差し支えないでしょう。

そんなわけで私の本意としては、ATとMTのどちらが安全なのかをつきつめたいわけではなく、右手右足だけでリラックスして運転できるATもいいのですが、両手足を駆使して操作するMTにはまた別の楽しさがありますよと。そしてこれだけATが主流の日本において、自動車メーカーにはいまも1つの選択肢としてMTを設定したいと考えている方もいらっしゃる、ということをお伝えできればと思った次第なのでした。

ちなみに今回のJAIA試乗会では、当連載の試乗車はフェルさんの希望により2人乗りのスポーツカーが多かったこともあり、そちらの助手席はY田さんにお譲りすることにして、私は以下のようなモデルをメインに試乗してました。いまやハイパワースポーツカー界でも、人間が操れる限界を超えた変速スピードが求められるためMTは絶滅危惧種。フェルさんが試乗したモデルにも1台もマニュアルは登場しません。そんな中、わざわざ日本市場に追加モデルとしてMTモデルを導入するルノー・ジャポンって、洒落ているなと思うのです。

ルノートゥインゴに追加されたマニュアル仕様。1リッターエンジンと5速MTの組み合わせ。ポルシェ911と同じRR駆動で、お値段なんと171万円! いつもの道が少し楽しくなります
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セミナー開催 フェルディナント・ヤマグチ流「部下育成」!

 本コラムの著者、フェルディナント・ヤマグチ氏が「日経ビジネス課長塾オンデマンド」主催のセミナーに登壇します。

 今回、課長塾オンデマンドではあえて、「企業人としてのヤマグチ氏として、登壇してください」とお願いしました。なぜならヤマグチ氏は、「コラムニストとの両立」という多忙な生活を、20年もの長きに渡り成立させてきた人だからです。本セミナーでは、そんなヤマグチ氏ならではの(仕事についての)方法論に迫ります。

 とはいえ講演時間は、わずか1時間。そこで今回は、「部下育成」にテーマを絞って話していただきます。部下やチームのマネジメントにお悩みの方は、ぜひご参加ください!






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