セレナやオデッセイからの乗り換え
F:国内でディーゼル車の比率をどれくらいにしていきたいという目標値はありますか?
星:特にありません。ありませんが比率は今後どんどん上がっていくと思っています。モデルよっては現在も……例えばSUVのX3やX5は、既に販売台数の8割がディーゼル車なんですね。グランツアラーも8割がディーゼル車です。
F:お客さんはどこを評価してディーゼル車を選ぶのでしょう。
星:いろいろあると思いますが、エコカー減税対象ということは大きいでしょうね。特にグランツアラーが一番象徴的ですけれども、国産からのお乗り換え、プラス初めてクルマを買うお客さまの比率が85%もあるんです。
F:つまり新規顧客比率が85%!ひょえー!すごい。
星:お乗り換え前のお客様のクルマは日産さんのセレナがナンバーワン。次いでホンダさんのオデッセイです。
F:価格帯はかなり離れていますよね。軽くプラス100万円にはなるでしょう。
星:はい。ですがこちらはナビゲーションや自動ブレーキ、それにLEDのヘッドライトも標準です。さらにバックモニターも標準でついています。セレナやオデッセイで同じ装備を加えると、やはり300万円を超えてきます。減税やディーゼルであることによる燃費のメリットを考えると、価格面でも十分に比較の対象になり得るということです。
F:なるほど。いまやBMWも国産ワンボックスと価格で比較する時代になったんだ。
星:そうですね。ドライバビリティを売りにするだけでなく、価格で比べていただいても十分に対抗出来るようになりました。
酷いんですよこの人は
F:高橋さんに伺います。ディーゼル車を乗るに当たり、特に気をつける点はなんでしょう。実は私、ディーゼルエンジンのクルマを買ったばかりでして….
高:当社のディーゼル車ですか。それはありがとうございます。
ADフジノ:酷いんですよこの人は。メルセデスのディーゼルです。それをBMWの方からアドバイスを受けようなんて(笑)。

高:それでは次回はウチのディーゼル車を買って頂けるという前提で(笑)。……と言いましても特に気をつける点はありませんね。ごくフツーに乗って頂ければ。ただディーゼルエンジンはオイルと空気が肝心ですから、そのメンテだけは怠りなくやってください。
F:オイル交換とフィルター交換をきちんとやること。やはりオイルゲージはマメにチェックしたほうが良いのですか。
高:ベンツさんもそうだと思うのですが、今のクルマはほとんどオイルゲージが付いていないんです。メーターにオイル交換のサインが出ますから。それまでは何もしないで結構です。キャップを開けると埃が混入したり、空気と触れてオイルが酸化したりする可能性がありますので、ユーザーがご自身でお開けることはなるたけ避けてください。
F:勝手に前を開けない。なるほど。
高:そうそう、フェルさんはよくスキーに行かれると仰いましたよね。スキー行かれるときは東京から満タンにしないで出掛けてください。そして高速を下りたら。地元のスタンドで軽油を入れること。これは大切です。
東京のスタンドと寒冷地のスタンドでは売っている軽油の組成がぜんぜん違うんです。東京で入れた燃料のままで停めておくと、燃料が凍ってしまう可能性があります。これは冗談ではなく本当に起きるんです。お恥ずかしい話ですが、当社のメカニックで一人凍らせてしまった人間がおりまして……(苦笑)。
お湯をかけたりして大変な苦労をしたそうです。お湯を用意できる場所だから良かったですが、山奥で凍ったりしたら、本当に死活問題です。
F:はー。軽油は現地で。なるほど。
高:全部じゃなくていいんですよ。東京の燃料と混ぜるだけで大丈夫です。ディーゼル車に乗っている人は、寒い所に着いたらなるべく早目に“地元燃料”を入れたほうが良いですね。ガソリンの場合はこの限りではありません。
結局は「人の手」で違いが出る
F:最後にちょっとメカニックの方のご意見を伺いたいのですが、BMWの“良さ”の秘密はどこから生まれているのでしょう。ドライバビリティの高さ、FFなのにあのFRっぽい乗り心地とか、どのようにして生まれているのでしょう。
高:うーん。難しい質問ですね(笑)。セッティングというか、もう本当に最後の味付けの部分がウチは上手いんだと思いますね。実は技術的には、今どこもほとんど横並びなので。
F:味付け、ですか。
高:そう。味付けです。フェルさんはFFなのにFFの癖が出ていないと言いましたが、そこはやっぱりサスペンションのセッティング次第なんですよね。BMWだけが特別なサス構造な訳ではなく、技術的に突出したものもあまりないので。
F:それはセッティグということですか。最後は人の手で決まるということですか。
高:そうです。最後は人の手です。
星:BMWのブランドスローガンは御存知の通り「駆けぬける歓び」です。
それを実現するために、FFだろうが、FRだろうが、4駆だろうが、自然吸気だろうが、ターボだろうが、それはいろいろ時代背景とかお客様のニーズによってベストなソリューションを採用します。最終的には「駆けぬける歓び」、人がどう感じるか……ですから。乗っていて楽しいかどうか。それを実現するのがBMWです。BMWのフィロソフィーの下でクルマを造り込んでいる、というのが他社さんとの違いとなって現れているのだと思います。
Powered by リゾーム?