「小さいけどたくさん積める」にはFRでは限界が

:はい(笑)。そういったお客様のニーズに応えるクルマを出そうとすると、FRパッケージでは限界があるということです。お客様のニーズも満足させるためには、BMWとしてもFFがベストなレイアウトであろうと。

F:1シリーズはCセグの小さなクルマだけれども、あのセグメントではたった一人でFRを守り続けて頑張って来ました。あのクルマも実は他のCセグ車には負けていたということですか。少なくとも積載という観点からすると。

:1シリーズはゴルフのようにハッチバックのコンセプトだからまだ良いんです。後ろをガバッと開けばFRでもそれなりに荷物は載せられます。

 ですが、グランツアラーのようなCセグメントで7人乗りのクルマを開発するとなると、さすがにFRでは難しくなってきます。同じCセグでも、ハッチバックの1とか、クーペの2シリーズならFRでも良いんです。あのモデルは機能性とか多様性よりも、ドライバビリティーの方向に振ったクルマですから。ドライバビリティーで最高のソリューションを提供するのならFRだということで、あのモデルはFRになっています。

少しややこしくなるのでここで整理しておこう。

BMWの2シリーズには、FRレイアウトでクーペスタイル(要するに1シリーズのクーペ版だ)と、FFレイアウトでミニバンスタイルの2種類があるのだ。いま星川さんがFR車として話しているのは、FRでクーペスタイルの方だ。

左:BMW 2シリーズアクティブツアラー(FFレイアウト)<br/ >右:BMW 2シリーズクーペ(FRレイアウト)
左:BMW 2シリーズアクティブツアラー(FFレイアウト)
右:BMW 2シリーズクーペ(FRレイアウト)
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F:なるほど。すると2シリーズのアクティブツアラーをFF化したのは「市場の声」に推されて、というところですか。

:はい。市場のニーズが高まっているということが一番の理由です。小さくて取り回しが良いけれども、人も荷物も余裕を持って乗せられる。これは日本だけではなく世界的な流れになっています。

F:実際はそれほど人も荷物も乗せる機会なんかないのにね(笑)。ミニバンの一人乗りを良く見ますもの。しかし日本がミニバン大国なのは分かりますが、それは世界的な流れでもあった訳ですね。

ミニバンのFF2シリーズが主力商品になる?

:はい。既に日本では、軽を除くとおよそ市場の3割がミニバンであると言われていますが、例えばヨーロッパでも最近はニーズが高まってきています。特に小型、Cセグメントのモデルの伸びが大きいです。ミニバンはモダンなコンセプト、新しいコンセプトとして認知され始めているようです。

F:なるほど。では実際に売れ行きはどうでしょう。日本で売れる乗用車の3割がミニバンとなると、BMWも同じような比率になるのですか。BMWの中で一番売れているクルマが2シリーズのアクティブツアラーになるのですか。

:日本で一番売れているBMWは3シリーズです。次に1シリーズ。そして2シリーズ。ただ、7人乗りのグランツアラーは昨年の6月に導入したばかりですので、正しい比較にはなりません。今年はFFの2シリーズが1シリーズを抜いて、3シリーズに次ぐ主力商品になるかもしれません。

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