こんにちは。AD高橋です。
マツダ初の乗用車となるR360クーペ、ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツ、1980年に登場し陸サーファーがこぞって乗っていた赤いファミリア、そして1978年のサバンナRX-7から始まる歴代RX-7……。マツダ車にはそれぞれの年代の人の思い入れがあるはず。

私にとって忘れられないマツダ車といえば、やっぱり初代ロードスター(NA型)です。1989年9月に登場したユーノスロードスターには、消滅していたライトウェイトスポーツカーを再び盛り上げ、排気量の小さいエンジンをMTで高回転まで回しながらオープンエアを楽しめるなど、誰もが頭に浮かべる数々の功績がありますね。
でもロードスターのデビュー当時、まだ10代で運転免許すら持ってなかった私にはノスタルジックな感情は湧きませんし、爽快な走りもわかるわけありません。ただ、幌を開けたそのスタイルに「カッコいい!」と悶え、免許を取得したら絶対に手に入れてやると心に決めたのを覚えています。
実は当時私を可愛がってくれていた2つ年上の先輩が、真っ赤なロードスターに乗っていたんですよね。で、その先輩はものすごくモテていたんですよ。それを見て「俺も絶対に乗る!」と思ったことは否定しません(笑)。

私がNAロードスターを手に入れたのは確か1993年。濃いグリーンにタンの本革シートが似合うVスペシャルの中古車を気合いのボーナス併用60回払い(頭金なし)で買いました。
NAロードスターと言えばMTで乗るのが当たり前でしたが、私が手に入れたのはなんと4ATでした。当時はクルマ関連の仕事に就く前で、購入する際に「気持ちいい走りを味わう」とかは一切考えなかったんですね。頭にあったのはただただ「先輩のようにモテる」ことだけ。だからMTなんてまったく頭に浮かびませんでした。

そしてロードスター購入からおよそ1年後にクルマ雑誌の編集部に異動。ATのロードスターに乗っていた私に対する「信じられない……」という空気はものすごいものがありました。ロードスターには5年ほど乗りましたが、ATの需要はほぼないため、下取り価格は驚くほど安かったのを覚えています(確かMTより20万円近く安かった)。
ところが最近、NAロードスターの専門店に行くと、ATの需要が高まっているという話を耳にします。なぜなら免許取りたての若者が父親と一緒に買いに来たり、あの形が可愛いという女の子がお店に来ることが増えているから。現在は免許取得者の半数以上がAT限定免許を選択する時代。彼らは最初からAT一択でNAロードスターの中古車を探しているのです。
クルマの人気というのはいつどこで変化するかわからないものですね。
うわ、マンさん、私の最初の愛車もNA、初期型の青(アンテナをねじ止めするやつ…って意味わかんないですよね)をユーノス店で、頭金10万円5年ローンでした。結婚を契機に泣く泣く売却しましたが、5MTだったおかげか驚くほど高く売れ、しかしローンの残金がけっこう残っていて大半持って行かれたのもいい思い出です。……今回もしゃしゃり出ました編集Yです、こんにちは。
さて今回、藤原さんが冒頭で説明したマツダの「モノ造り革新」、そのセントラルドグマたる「一括企画」を支える二大要素「コモンアーキテクチャー」「フレキシブル生産」については、それぞれ以前の藤原さんのインタビュー、そしてマツダ本社工場見学記が大変参考になると思います。一部重複しますが、リンク集を作りました。ご活用下さい!
野暮を承知で言いますと、先に工場見学編で「フレキシブル生産」の具体的な様子を見ていただくと、「コモンアーキテクチャー」がより分かりやすいと思います。藤原さんのお話の中での「コモンアーキテクチャー」は、「東京編 その1」から出てきます。いま読み直すとすんなり理解できるのに、実のところ、お話を聞いた当時は完全には腑に落ちていませんでしたことを、謹んで告白いたします。(Y)
【マツダ 工場見学編】
●「日●車で来るとはええ度胸じゃのう」。実録!マツダ本社工場潜入
第235回 マツダ 本社工場見学編 その1
●ワシらは向洋魂でクルマを作るけえ
第236回 マツダ 本社工場見学編 その2
●生産屋は誇りと楽しみでクルマを作るんじゃ!
第237回 マツダ 本社工場見学編 その3
●53秒に1台!見てみぃ。これがワシらの実力じゃ。
第238回 マツダ 本社工場見学編 その4
●ランチタイムに聞いた「マツダ革命」の背景
第239回 マツダ 昼飯編
【マツダ 藤原常務インタビュー編(2014/6)】
●ワシらはしょせん世界の2%。広くより「深く」愛されたい
第242回 マツダ・藤原常務インタビュー その1
●お前ら変わるのか、死ぬのか。どっちだ?
第243回 マツダ・藤原常務インタビュー その2
●「マツダほど素晴らしい会社はない!(笑)」
第244回 マツダ・藤原常務インタビュー その3
●今は昔 400万台クラブといふものありけり
第245回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 その1
(「コモンアーキテクチャー」のお話はこの辺からです)
●販売力以上にモノを作ると、どうなるか?
第246回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 その2
●安売りチラシをブルブル握りしめた朝
第247回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 その3
●「我々は信じている。だから走り続ける」
第248回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 最終回【!】
今回は特に誤植が多いとご叱責を戴いております。申し訳ございません。以下、修正いたします。ヨタ中の「ジュミニ」は「ジェミニ」、「沖縄本当」は「沖縄本島」です。ほかにお気づきの箇所がございましたら、コメント欄にてお知らせ戴けますと大変助かります。(Y)[2018/01/18 13:00]
この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
セミナー開催 フェルディナント・ヤマグチ流「部下育成」!

本コラムの著者、フェルディナント・ヤマグチ氏が「日経ビジネス課長塾オンデマンド」主催のセミナーに登壇します。
今回、課長塾オンデマンドではあえて、「企業人としてのヤマグチ氏として、登壇してください」とお願いしました。なぜならヤマグチ氏は、「コラムニストとの両立」という多忙な生活を、20年もの長きに渡り成立させてきた人だからです。本セミナーでは、そんなヤマグチ氏ならではの(仕事についての)方法論に迫ります。
とはいえ講演時間は、わずか1時間。そこで今回は、「部下育成」にテーマを絞って話していただきます。部下やチームのマネジメントにお悩みの方は、ぜひご参加ください!

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