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 あけましておめでとうございます。AD高橋です。
 本年も当コラムをよろしくお願いいたします。

 この企画に参加することになる前から「よくやるなあ」と唸っていた日経ビジネスオンラインの「マツダ地獄(話が面白くて、延々インタビュー記事が終わらないこと)」が、いよいよ始まりました。そこで後書きの方も、マツダ地獄……いや、マツダ縛りで書かせていただこうと思います。

 まずはこんなお話からどうでしょう。

 マツダがミニバンの生産・開発からの撤退を検討しているというニュースが流れたのは2016年2月。そして2017年9月に新型クロスオーバーSUVとなるCX-8を発表、12月14日から発売を開始しました。

 ご存知の通り、CX-8は3列目シートを備えるクロスオーバーSUV。日産エクストレイルや三菱アウトランダーなど、これまでも3列目シートを備えるSUVは他社から登場しています。ただ3列目はどちらかというとエマージェンシーシート的な扱いで、大人が座って長距離移動するのはかなりつらいのが現実。しかしCX-8は大人が乗っても十分な広さがあり、リアドアの形状を工夫して乗り降りが楽にできるようにしています。ミニバンから撤退したマツダは今後国内ユーザーにこのCX-8で3列シート車の利便性を提供していくことになります。

 ここからが本題。「3列シートのクルマ」というと、トヨタや日産のイメージが強いかと思います。しかし調べてみると、日本で初めて3列シート車を世に送り出したのはマツダなんです。

 1966年に800ccの水冷4気筒エンジンを搭載したボンゴがデビュー。トラックのほかにバンと3列目シートを装備した8人乗りのコーチが用意されていました。ボンゴが登場したのは東京オリンピックが終わり、いざなぎ景気の真っ只中。人々が豊かになってレジャー志向も高まり始めた頃です。そんな中に登場したボンゴは人々の注目を集めたはずです。

 検索すると当時のカタログを掲載しているページが出てきました。表紙には大人7人子ども1人がボンゴコーチにサイドオーニングを付けてピクニックを楽しむ写真が使用されています。中ページにはテニスを楽しむ4組のカップルや結婚式に向かうっぽい8人のファミリーなどの写真を掲載し、とにかく「8人乗りであること」を前面に押し出した作りになっていました。

 その後、1967年にはトヨタハイエース、1969年に三菱デリカ、1973年に日産キャラバンが登場。キャブオーバー型の1BOXは市民権を得ていきます。そして1980年代になると日産プレーリーや三菱シャリオなど乗用車に近いスタイルの3列シート車が登場します。

 マツダはミニバン市場からは撤退しましたが、3列シート車には並々ならぬこだわりがあるはず。CX-8以外にも大勢で出かけられるクルマを出してくるかもしれないですね。