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 3年ぶりに実現した藤原大明神こと、藤原清志マツダ取締役専務執行役員(研究開発・MDI・コスト革新統括)のインタビュー。

 会場は年の瀬も押し迫ったマツダ東京本社会議室である。不肖フェルの単独インタビューであるにも関わらず、机の上には記者会見よろしく、たくさんのICレコーダーが並んでいる。

F:すごい光景だなこれは。広報も(レコーダーを)回すんですね。あとで「この記事は事実と異なる。藤原はこんなことを話していない」とエビデンス付きで日経ビジネス側に抗議するために(笑)。

マツダ広報:そういうことではありませんが、一応社内用に……(苦笑)。

 大明神にお会いしたら、いの一番に伺いたいことがある。トヨタとの資本提携の背景、そしてマツダの本格的なEV参入だ。3年前のインタビュー当時、大明神はマツダがEVに取り組むことに対して、否定的だったように記憶している。


F:今日はよろしくお願いします。こうして改まって藤原さんからお話を伺うのは3年ぶりのことです(初回はこちら)。藤原さんのインタビューは、お話いただくすべての内容が面白い記事になるので、捨てるところがありません。だからどうしても長くなってしまう。前回は実に2カ月半にも渡り記事が続いたので、暫くの間、他社のクルマに試乗することができなくなってしまいました。その反省を踏まえ、今回は正月明けから毎日連続で掲載しようと思っています。

藤原大明神:それは大変だ。あと2週間のうちに原稿を書かなきゃいけないわけですね。

マイトのY:ええ……意気込みは結構なんですが、本当に書けるのかという話なんですよ……。

:フェルさん、昨日はドリカムとか見に行ってるし、余裕だよね(笑)。

F:ど、どうしてそれを……。

:フェイスブックに写真を上げていたでしょう。毎日チェックしているので(笑)。

[マイトのYの不安は的中し、年始第1週目からのロケットスタート計画は見事に頓挫した。申し訳ございません。]

EVはやらないって言ってましたよね?

F:今回のインタビューに際し、3年前の自分の記事を読み返してきました。すると藤原さんはその時……。

:何か言っていましたか?

F:はい。そのとき藤原さんはマツダがEVに取り組むことに関して否定的であったんです。ここにコピーがあります。

F:分かりました。では2020年に、世の中はどうなっていると思われますか。その世の中に合わせてのクルマ作りをされると思いますので、マツダが見る2020年の世界を教えて下さい。

:ヤマグチさんはあれでしょう。マツダは電気自動車はどうするんだとか、ハイブリッドはどうだとか言いたいんでしょう。

F:はい、図星です(苦笑)。

:例えばね、エンジン系の話。純粋な電気自動車なんて、うんと進んでいったってせいぜいが5%くらいの話。あとはハイブリッドを含めてもエンジンを使ったクルマが95%です。ウチには殆ど関係ないじゃないですか。

F:関係ない……。そうですか?

:関係無いですよ。だってウチはたった2%の世界シェアですよ。乗用車の中でたったの5%しかない電気自動車が、この先たとえ10%になったとして、我々どうします? 世界で売れるクルマが年間5000万台として、そのうちのウチの取り分が2%。電気自動車のシェアって何台ですかと、その中の5%とか10%でしょう。そうしたらウチ、商売になんかならんでしょう。だから大きな波の中で言えば、シェア2%ぐらいの会社は、好きなことをやっておれば大丈夫なんです。

記事全文はこちら

:困ったな(苦笑)。

F:(2017年8月に)トヨタとの資本提携が発表されました。そして矢継ぎ早にEVを作るという新会社設立の発表もされました(同9月)。マツダはEVに向けて大きく舵を切りつつあり、前回藤原さんが仰った話からは、だいぶ方針が変わって来たのではないですか。

:いいえ、変わっていないです。

F:そうでしょうか。