荷物の積み下ろしは本当にラク

 高速をおりて今一度クルマを眺め回してみよう。

 まず室内。広い。メカスペースをギュッとコンパクトにまとめて、室内空間をうんと広く取っている。1列目から3列目までのシート間の距離は、実に90mmも拡大している。全長は50mm増に抑えられているので、単純計算ですると、40mmも“頑張った”ことになる。

コンパクトミニバンなのに、先輩格のステップワゴンに引けを取らない広々とした室内空間。二列目の足元の広さは相当なものだ。
コンパクトミニバンなのに、先輩格のステップワゴンに引けを取らない広々とした室内空間。二列目の足元の広さは相当なものだ。

 運転席で目につくのは、遠くに押しやられたメーターディスプレイである。視線の移動を少なく抑えるために、このようなレイアウトにしているのだ。これはまあ特段珍しいことではなく、ヨソでもやっている。

運転席周り。空力性能を向上させるため、フロントガラスを思い切りスラントさせている。だからハンドルからガラスまでの距離がとても長い。ステアリングホイールの握り心地は非常に良い。
運転席周り。空力性能を向上させるため、フロントガラスを思い切りスラントさせている。だからハンドルからガラスまでの距離がとても長い。ステアリングホイールの握り心地は非常に良い。

 外に出て後ろに回ってみよう。あっと驚く低床化である。

開口部下部の地上高は、まさかの335mmである。大きな荷物、重い荷物の積み下ろしは本当にラクだ。
開口部下部の地上高は、まさかの335mmである。大きな荷物、重い荷物の積み下ろしは本当にラクだ。

 ここまで大胆に(しかも一枚扉で)リアゲートが大きく開くクルマも珍しい。このメリットは計り知れず、荷物の積み下ろしは本当にラクだ。

 ロードバイクの搭載は……もともと軽いからそれほど苦労しないが、所謂ママチャリの積み下ろしも楽勝である。最近は電動自転車の価格も安くなり、最早ママチャリデファクトのごとく普及してきたから、ママさんを自転車ごと回収、などと言ったシーンで大いに役立つことだろう。電動自転車はバカみたいに重いのだ。

上下に分けられた荷室。パネルを外すとこんなに深く広くなる。前モデルのハイブリッド仕様車は、三列目のシート下にバッテリーを搭載していたので、かようなマネはとても出来なかった。
上下に分けられた荷室。パネルを外すとこんなに深く広くなる。前モデルのハイブリッド仕様車は、三列目のシート下にバッテリーを搭載していたので、かようなマネはとても出来なかった。

 だかしかし、好事魔多し。下の方まで盛大に開口部を広げたため、当然ドアは大きくなる。

リアゲートを開いた姿を横から見てみると……。アンバランスに感じるほどデカイ。
リアゲートを開いた姿を横から見てみると……。アンバランスに感じるほどデカイ。
こちらはホンダ本社の地下駐車場。ギリギリである。普通の駐車場は後ろのスペースをここまで広く取っていないのでは?
こちらはホンダ本社の地下駐車場。ギリギリである。普通の駐車場は後ろのスペースをここまで広く取っていないのでは?
本当にギリ。心臓に悪い。
本当にギリ。心臓に悪い。

 車体はコンパクトにまとまり、室内空間は兄貴分に引けを取らず、走りは“ホンダらしく”カチッとして安心して飛ばすことが出来る。おまけに価格も安い。ハイブリッドを選べば、ミニバンなのに変速がスパスパ決まるDCTまでついてくる。

 もうミニバンは大きくて高いのを買わなくても、これでええんとちゃいますか、と思えて来る。

 フリードは、クルマに見栄やらハッタリやらを求める人には向いていない。使い倒す”道具”としてのクルマである。

 日常から趣味までを広範囲に、しかも比較的に安価にカバーしてくれる、極めて入り口の広い、言ってみれば「クルマに対して大きな思い入れを持たない人」に向いているクルマではないだろうか。

次ページ 二代目フリードの○と×