(私以外の)笑顔に溢れる明るい雰囲気のインタビューは、こうして和やかに進みました。
最後に読者諸兄に向けて、磯部さんからのメッセージを。
「店頭でも十分分かる工夫があります」
「奥様が週中に運転されて、週末はお父さんが、しかもおじいちゃん、おばあちゃん、子供さんも含めて、全員で移動するときに、誰も妥協しないで楽しく移動できるということを念頭に置いて開発してきました。ぜひぜひ店頭で、『あ、ここにそういう工夫があるんだ』というのを体感して頂きたいです。今回お話できなかったこともたくさんありますが、店頭で体感していただければご理解頂けると確信しています。自動運転支援機能のプロパイロットは乗らないとなかなかその良さは分からないですが、荷物の出し入れのしやすさとか、乗り降りのしやすさは、店頭でも十分にお分かり頂けると思います」
この週末は日産のお店に行って、セレナに試乗してみましょうか。
来週からは、別の会社のもう少し小振りのミニバンが登場します。
これがまた面白いんだ。
それではみなさまごきげんよう!
「走りながら考える」をご愛読の皆様、こんにちは。古くからご愛読の皆様、ご無沙汰しております。本連載初代担当のYです。フェルさんの担当を離れて、まっとうな経済記者に戻るはずが、最近でもフジノさんにお願いして、トヨタのモータースポーツの話題(こちら)や、「ダンナが、ガンになりまして」のお仕事をしております。お急ぎでなければご一見ください。
さて今回、担当のY田デスクは「まだ正月です」とばかりにネットがつながらない山の彼方に消え、フジノさんは海外出張と、あとがき担当者がいなくなってしまい、私が引っ張り出された次第です。といっても、〆切前日に突然振られてしまって自動車関連の話題がありません。自分のクルマは担当当時から変わらず1995年式の中古ワゴンだし…そうだ、久々にクルマで帰省したので、その時のお話でもしましょうか。
新潟生まれでスキーも好きだったので、雪の中の運転はまあまあやりました。初めてのチェーン装着ではあまりに面倒で泣き、登場初期の樹脂製チェーンを付けたら、よりによってトンネルの中で脱落して泣き、次の年にスタッドレスを買ってその威力に驚嘆し、それでも、アイスバーンの坂道を上れずにまたまた泣き、坂の下に戻ってチェーンを付けたら、いきなりガリガリ上っていくのでまた驚き…と、雪道運転初心者あるあるはおおむね体験したと思います。
ただ、それも軽く20年は前のこと。スキー道具はとっくに処分しましたし、冬用タイヤやチェーンも、四駆のSUV(スバルの初代フォレスター。いいクルマでした)から今の車(FR)に変えた時に「もう自分のクルマで雪道は走らない」と決めて、買い直しませんでした。
正月に実家に帰ったり、山の温泉にいくこともある。「でも、そういう時は新幹線で行って現地でスタッドレス装備のレンタカーを借りるか、東京で借りて乗っていけばいいじゃないか」と考えたわけです。え、東京で雪が降ったら? 自分のクルマなんて使いません。フォレスターにスタッドレスを付けたとき、初めての雪に「ようし」とはしゃいで調子に乗りすぎてABSのお世話になり、道具に頼ることしかできない人間が雪道で走るのははた迷惑だ、と自覚しました。クルマがグリップを完全に失った瞬間の怖さは忘れられません。
もうひとつ問題だったのが交換したタイヤの置き場。文字通り猫の額しかない集合住宅のポーチに、タイヤを置くことに我が一家の将軍様が断固反対したからです。フォレスターの時は、「冬用タイヤはあって当然」と思っていた私が相談もせずさっさと置いてしまい、ずっと「邪魔よ」と責められました…。
「追突されそう」な速度差に恐怖
ところが、昨年末は仕事が詰まって予定が立たず、年末に小学5年生の娘とふたりで、自分のクルマで帰省することになりました。天気予報を見る限り好天が続くので「ノーマルタイヤで往復できそう」と思いつつ出発。行きの関越道は天気も良く、渋滞もうまく回避できてほくほくでした。が、やはりそう甘くはない。
帰る日の新潟市は吹雪。午前中に晴れたものの山間部はばっちりチェーン規制。もう仕方ありません。市内のカー用品店で、どうせ買うならと思っていた亀甲形の細めの金属チェーンを見つけ、駐車場で試着。ちょっと戸惑いましたが、装着の手順はまだ記憶に残っていました。
関越道に乗ると、長岡を過ぎるあたりで雪がちらつき、チェーン規制が始まりました。路面がうっすら濡れる程度で、気温は1度前後。ノーマルタイヤでも支障は感じないものの、越後川口SAに乗り入れて、吹雪になった中でチェーンを装着、軽く動かして締め直し、念のためにガソリンスタンドの店員さんに見てもらって、いざ、20年振りの雪(?)道へ。
チェーンの取説に「最高速度は時速50km」とあったので、オートクルーズにセットして走り出すと、普段の半分の速度で見る景色がなかなか新鮮…なんですが、いっこうに距離が稼げない。娘も「カメみたい」とあきれ顔。おまけに振動と騒音がなかなか辛い。しかし、そんなことより驚いたのが他のクルマとの速度差でした。
チェーン規制といっしょに速度規制もかかって、最高速度は時速50km。ということは、スタッドレス装備のクルマも私と同じスピードで走っているはずなのですが、実態はどうみても倍は速度差があります。これは遅いクルマに乗っているほうにはけっこうな恐怖で、バックミラーに映っているクルマがあっというまに近づいてくるので「おいおい、追突されるんじゃ…」と本気でびびったのも2度や3度ではありませんでした。
普段の倍の時間を掛けて土樽PAにたどり着き、関越トンネルに入るためにチェーンを外して、あとはノーマルタイヤで無事帰京できました。
雪道の路面状態は気温や風でどんどん変わりますから、その変化に対応するには、ムダのように見えてもチェーンか冬用タイヤの装着を、という規制がかかるのは当然だと思います。一方で、スタッドレスの性能が向上し、普通に時速100kmオーバーで走っている状況では、数が少ないチェーン装着車と、スタッドレス装着車との速度差が、事故の元になるんじゃないかと心配になります。
もちろん、建前で言えば、速度制限を無視しているクルマが悪いのですけれど、私がチェーンで走行した1時間あまりの間にこれだけ抜かれまくったことを考えると、なにか別の(それこそ経済学的な「インセンティブ」による)解決方法が必要なようにも思えます。
皆様も雪道運転にはどうぞお気をつけて。フェルさんもアクセルを踏みすぎないように。(Y)
(※当初、「制限速度を守って私のクルマを抜かなかったスタッドレス装着車は1台もなかった」と書いていましたが、「制限速度を守れば抜かないのは当然」とご指摘を頂戴しました。誠にごもっとも、ありがとうございます。修正させていただきました)
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