磯:今までのクルマは、正直、上屋の動きがちょっと大きめだったんですよね。だからお父さんが家族を乗せて週末どこか行楽地に行っても、例えばコーナーを神経を使いながらアウト・イン・アウトに走って、なるべく子供たちにGを感じさせないように苦労しながら走らなきゃいけなかった。或いはスピードを落とすか。ところが今度の新型は、上屋の動きが押さえられているので、結果的にお父さんもラクにしかも気持ちよく運転ができるように仕上げています。
「ライバルと比べると乗り心地重視です」
F:ライバルであるトヨタのノア・ヴォク、ホンダのステップワゴンと比べるとどうですか。セレナが一番走りに特化しているのでしょうか。

磯:セレナはちょっと方向性が違うと思います。どちらかというと、トヨタさん、ホンダさんともに操安寄り、ハンドリング寄りに振っていますね。ですから、わりと突き上げとか振動はうちのより多目に出ると思います。どっちかというと硬め、と言ったらいいですかね。
F:するとコーナーを飛ばしてウェーイ!という走りをするなら、向こうの方に分があるかも知れない。
磯:かも知れないですね。今回はお父さん1人をターゲットにしてないので、家族全員が乗ったときにどっちが楽しいかと。それならこっちの方向だよね、というのをみんなで確認しながら作っていきました。あっち(操安重視)寄りのクルマがいることを十分に意識しながら、敢えてこっち(乗り心地重視)側を狙おうと。
F:でもセレナは操安良いですよね。ものすごく良い。
磯:ありがとうございます。
F:CVT以外はすごく良かったです。クルマは新しいのに、なんかCVTだけは古い感じがして…。
ADフジノ:それはフェルさんの運転が悪いんですよ。
磯:前の型のセレナでよく言われたのが、ちょっと踏むと回転数がビューっと上がって、加速Gもバッと立ち上がって、わりと唐突にこう、加速するというか、何かギクシャクする印象があったと。回転数もワーッと上がるので、音がウルサイという声も有った。あとは燃費ですね。今回は軽く踏んだときはなるべく回転をタイトに、リニアに上がるように調整したんですよ。まあアクセルをガッと踏んでしまえば、結果として同じような特性にはなるんですけれども。
F:まるで僕が踏み過ぎみたいなことを仰いますね。
磯:ええ。フェルさん踏み過ぎなんだと思います。
ADフジノ:ほらほら。エンジニアからのお墨付き。フェルさん踏みすぎなんですよ。この人何でもガンガン踏めば良いと思っているから(笑)。
磯:セレナって、そういう感じのクルマではないので(笑)。
担当編集Y田:いい年して加減ってものを知りませんからねぇ。困ったものですよ(笑)。
F:うぅ…。
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