「プラットフォームの流共用の範囲は量産開始の3年前には決めます」

「セレナの前はキャシュカイを開発していました」
「セレナの前はキャシュカイを開発していました」

:ウチにもCMFという大規模な共有プラットフォームが有ります。今のエクストレイルとかキャシュカイがそうです。アメリカではローグという名前で一番多く出ていますし、キャシュカイはヨーロッパで一番多く出ています。そのプラットフォームは、いまルノーとも一緒に使っています。

キャシュカイ(QASHQAI)はミドルサイズのクロスオーバーSUVで、日産の欧州戦略車に位置付けられている。2014年にモデルチェンジした現行車は2代目に当たり、先代はデュアリスの名前で、国内でも販売されていた。

F:あ、そうか。ルノーと共有できるんだ。するともう台数が……。

:それはもうべらぼうに多いです。CMFで年間約160万台になります。

F:年間160万台?ひょえー!

:セレナはCMFプラットフォームではありませんが、部品、部品で。例えばステアリングコラムとかステアリングホイールといったものは流用しています。コンポーネントごとに使えるものは積極的に流用していかないと、とてもあれだけの値段で売ることは出来ません。何しろいろいろなものがいっぱい付いているので。

F:そのような部品の流用は、社内で他のクルマを見て、「これは使えるわ」と思って、俺のクルマにも使わせてと言うのですか。それともうんと早い段階から、これとこれとこの部品は一緒にやろうね、と部品を起こす初期段階から共同で進めていくものなのですか。

:一番初期にプラットフォームの流共用の範囲を決めるのが……そうですね、SOPの3年ぐらい前からかな。SOPというのはスタート・オブ・プロダクションの略で、量産開始を意味しています。量産開始のだいたい3年ぐらい前には、プラットフォームの流共用範囲を大枠で決めています。

F:流共用と言うのですか。なるほど。

:はい。ですからその中で、現行車から使う物はこれ、ほかのクルマから使える物はこれ……という事は、その段階で既に決まっている、という訳です。

F:あの、スミマセン。初歩的な質問で恐縮なのですが、流用と共用はどう違うんですか。

:前型から同じものを使うのが流用で、違うクルマから持ってくるのが共用です。今回はステアリングコラムをエクストレイルから持ってきた。これは共用に当たります。

F:前からの流れが有るから流用。他のクルマと共同で使うから共用か……。なるほどなるほど。勉強になります。ありがとうございます。セレナのプラットフォームは6割が流用と伺いましたが、磯部さんは前モデルからセレナの開発をご担当されていたのですか。

:いえ。セレナはこのモデルから担当しました。それまではキャシュカイを開発していました。

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