葛藤というよりは、一オールドファンの未練に過ぎないのかもしれない。要は、

「ああ、Jリーグチャンピオンシップ決勝の第2戦で、最後のあの無駄な失点をしていなければ、レッズが優勝していたはずなのに」
「っていうか、それ以前に、Jリーグが目先のカネに転んで2シーズン制なんていう意味不明なレギュレーションを採用せずに、世界基準通りに年間勝点王者を優勝チームとする王道の既定に従っていれば、わがレッズが文句なしの優勝チームだったはずじゃないか(机ドン!)」
「とすれば、FCWCの栄光のピッチを疾駆するチームは、わが浦和レッズだったはずなのだ」

 ということだ。まあ、愚痴と思ってくれてかまわない。実際愚痴なわけだし。

 鹿島アントラーズの決勝進出について、

 「まぐれっていうかフロックっていうか、なんかの間違いだろ」
 「出場自体おまけなのに、どうして図々しく勝つ?」
 「そもそもあのPKはインチキじゃないか」
 「世界中のサッカーファンが南米とヨーロッパの決勝戦を楽しみにしていたのに、どうしてここに場違いな素人チームがまぎれこんで来るんだ?」
 「紅白歌合戦に上高田少年合唱団が出場したみたいな違和感」
 「F1のサーキットをホンダフィットが走ってるみたいな場違い感」
 「ベルリン・フィルに小学生のリコーダーがまぎれこんだみたいなガッカリ感」

 といった調子の罵詈雑言が投げかけられていることはご承知の通りだ。
 が、これらの罵倒は、いずれも問題外のいちゃもんに過ぎない。
 多くは、嫉妬や羨ましさから来る粗探しで、それ以上のものではない。
 嫉妬と羨ましさで心乱れている私が言っているのだから間違いない。

 要するに、アントラーズサポ以外のサッカーファンは、うらやましくてアタマがおかしくなりそうなのである。

 ここで、あえてアントラーズの見事さを文字にしておくことにする。
 この作業を自分に強いておかないと、私は、たぶん心から応援することができない。

 特定のチームをサポートすることは、明らかな排外主義者として振る舞う覚悟を要求する仕事でもある。
 一方、リーグの立場を離れて、別の枠組みで、外国のチームと戦うことになれば、敵チームと言えども、同じ祖国のサッカーを代表する頼もしい仲間ということになる。
 ここのところの気持ちの整理は、簡単ではない。

「敵の敵が味方なのだとしても、アントラーズは味方ではない」

 ということを言うレッズファンはたくさんいる。

「アシダカグモがゴキブリの敵だという理由で、お前は八本足の生き物と共闘できるのか?」

 と、頑なに孤塁を守るサポも少なくない。
 が、昨日の敵は今日の友だ。
 それがサッカーの良いところで、本当の戦争と違っているところだ。

 アントラーズが決勝進出チームとして頼もしいのは、彼らが下克上の選手たちだからだ。
 決勝の相手となる(たぶん)レアル・マドリードの相手として、彼ら以上にふさわしい対戦相手はいない。

 アントラーズは、リーグチャンピオンシップに「Jリーグ年間勝ち点3位チーム」ならびに、ファースト・ステージの優勝の資格で出場している。

 で、その準決勝で、彼らは、川崎フロンターレに勝ち決勝に進んでいる。