ひとつには、この大会の放映権を独占し、その宣伝と普及の役割を担っている日本テレビが、どこをどう勘違いしたものなのか、毎年、企画番組のスタジオにジャニーズ事務所の人間を送り込み、世界的なサッカー選手に失礼な質問をぶつけるお笑い芸人を応援パーソナリティーとして重用し続けることで、この大会をいかにも安っぽいバラエティもどきの小芝居に見せかけてしまっている経緯がある。この間の事情は、サッカーファンの間では、言われ尽くしている耳タコ事案でもあるので、これ以上くどくどと追及することはしない。

 日テレ側の言い分を代弁すれば

 「サッカーマニアでない一般のテレビ視聴者を誘引するためには、人気芸人やアイドルの集客力が必要なのです」

 てなことになるのだろうが、当方の返事はたった一言

 「うるせえばか」

 ということに尽きる。
 反論にさえ値しない現場の人間の弁解に、いちいち真面目に付き合っている時間は無い。

 身内の人間たちの間ではどうせ、「ウィン・ウィン」だの「シナジー効果」だの「事務所とのお付き合い」だの「編成の顔も立てて」だの「他番組との兼ね合い」だの「言ってしまえばバーターですが」みたいな十年一日の相互弁解が飛び交っているのであろうが、そんなものはサッカーとは無縁な話だ。

 業界の人間の言う「ウィン・ウィン」は、昭和の時代劇の中で、口入れ屋の越後屋と悪代官が展開していた相互便宜供与の裏取引と選ぶところの無いもので、基本的には、ズブズブの贈収賄に過ぎない。

 「例の件、ぬかりはあるまいな」
 「ご心配なく。魚心あれば水心と申しますから」
 「越後屋、おまえもワルよのう」
 「お代官様こそ、欲がお深い」
 「ははははは」
 「ふふふふふ」

 話がズレた。
 きらいな人間にはかまわないと、さっき自分でそう言ったばかりなのに、どうして自分は越後屋を放置できないのだろうか。

 アントラーズの戦いぶりの見事さを賞賛しつつ、実のところと、その一方で、私の心の中には、今なお、すっきりしないわだかまりがある。

 というのも、現在鹿島アントラーズが戦っているFCWCのピッチは、もしかしたら、浦和レッズが立っていた舞台だったのかもしれないという思いが、どうしても拭いきれないからだ。

 アントラーズは、今回、「開催国枠」という資格で、当大会にエントリーしている。

 FCWCにおける開催国枠の意味を説明する前に、FCWCの前史にあたるお話を、ざっと振り返っておく。

 FCWCの前身は「ヨーロッパ・南アメリカカップ(インターコンチネンタルカップ)」と呼ばれるクラブチーム世界一を決めるカップ戦だった。

 インターコンチネンタルカップは、長らくヨーロッパカップ(現在の欧州チャンピオンズリーグ)を勝ち取ったクラブチームと、サウス・アメリカ・カップ(リベルタドーレス杯)で勝利した南米王者のクラブチームが、ホーム・アンド・アウェーで雌雄を決する大会として、世界中のサッカーファンに親しまれていた。