芝の不揃いさもさることながら、施設が老朽化していて、観客席がボロボロだったり、あるいはスタジアムそのものが陸上競技場との兼用で客席とピッチの間に無粋な陸上トラックが周回していたりするケースが目立つ。

 テレビで見ていても、なんだかサッカーが魅力を欠いた競技に見えてしまう。だから、私自身、最近は、イタリアのリーグのサッカーはあまり見ない。

 無論、貧弱な施設でサッカーをプレイすることが、ただちにサッカー技術の低下に結びつくわけではない。それでも、観客動員が低迷しているリーグでサッカーをプレイしている選手が、W杯への出場を決めるような緊張した試合で思うような実力を発揮できないケースは、おそらく増えるのではあるまいか。

 イングランドやドイツなど、最近ワールドカップやオリンピックを誘致した国では、最新のサッカー場が数多く整備されて、芝の状態もスタジアムの施設も素晴らしく変貌している。なので、観客動員も上昇傾向で、リーグ自体の収益や評価も上昇している。

 引き比べて、イタリアは、90年代までは世界一と言われたリーグであったのに、21世紀にはいってからは観客動員とリーグ収入の低迷に悩んでいる。その大きな理由のひとつがスタジアムの老朽化だと言われている。

 スタジアムがショボいからサッカーが弱くなるというお話は、結局のところ、最後にモノを言うのはカネだという結論に直結してしまう感じで、あんまり楽しい帰結ではない。

 が、楽しいのかどうかはともかくとして、スタジアムの老朽化とリーグの観客動員低迷は、実は日本のサッカーにも言える。

 うちの国のサッカー場は、90年代にJリーグが開幕し、2002年にワールドカップが誘致された時代に大幅に改善されたのだが、実は、それ以来、はやくも老朽化の道を歩みはじめている。

 2020年のオリンピックでも、念願の国立サッカー場の建設は実現しなかった。
 残念だ。

 4年後、あるいは8年後のW杯予選で、われらの日本代表チームが本戦への出場を逃して、その時に、
 「ほら、国立サッカー場を作らなかったからだ」
 と恨み言を言う未来を私は恐れている。

 そうならないために、いまからでも、建設中の国立競技場をサッカー専用スタジアムに変更するプランを検討してみてくれないだろうか。もし小池百合子都知事が私のプランに乗ってくれるのなら、副知事をやってあげても良いと思っている。

 ぜひ検討してほしい。

(文・イラスト/小田嶋 隆)
オダジマさんのイベント告知です。
副都知事選への抱負を聞きに是非(嘘です)

 来る12月13日(水)、小田嶋隆さん、平川克美さんが月例で行っているトークイベント「二人でお茶を」の拡大版が開催されます。

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 以下、小田嶋さんからメッセージを転載いたします。

「義理にからんだ忘年会をひとつキャンセルしてご参加くださるとうれしいです。よろしくお願いします」