米国と日本の同盟関係に疑念を抱いていない人たちの耳に、私の言っていることが、言いがかりに聞こえるであろうことは承知している。
ていうか、私自身、自分の指摘していることのうちの半分ぐらいは言いがかりだと思っている。
が、これは、逆側から見れば、トランプ大統領の振る舞い方のうちの半分ぐらいは嫌がらせに見えるということを意味してもいるわけで、いずれにせよ、トランプ大統領の対人マナーは、相手の反発を観察してナブりにかかる部分を含んだ、典型的ないじめっ子の姿に似ているのだ。
日本での公式日程を終えたトランプ大統領は、
My visit to Japan and friendship with PM Abe will yield many benefits, for our great Country. Massive military & energy orders happening+++!
「私の訪日がもたらした安倍総理との親密な関係は、わたしたちの偉大な国に多大な利益をもたらすだろう。軍事、エネルギー関連について、巨大な受注が発生している」
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/927645648685551616
というツイートを発信している。
これも、アメリカ国民向けのアピールと見れば、いつものトランプ節と変わることのない、我田引水ではある。
でも、このツイートを発信した場所が日本であり、おりしも訪日中のタイミングとあって多くの日本人がトランプ大統領のツイートを注視していることを考えれば、この言葉は、滞在先の国の足元を見た発言と受け取られても仕方のない内容を含んでいる。
どうしてこの人は、あえて他人の神経にさわるようなものの言い方をするのだろうか。
その回答に近い記事を発見した。
Japanese leader Shinzo Abe plays the role of Trump’s loyal sidekick
「日本のリーダー、安倍晋三氏は、トランプの忠実な相方の役割を演じている」
と題されたワシントン・ポスト紙の記事だ(こちら)。
私はふだん英語のメディアを直接に読むことはしない(っていうか、正直に言えば「できない」)のだが、今回は、苦労して最後まで読んでみた。
というのも、「sidekick」という言い方があんまり露骨だと思ったからだ。
辞書を引いてみると、”sidekick” には 《口語》として、仲間 (companion); 親友 (close friend); 相棒, 同類 (partner, confederate).という訳語が当てられている。(研究社『新英和大辞典』より)
下僕(servant)、下っ端(follower)というのとは違う。
ただ、”role of loyal sidekick”という言い方からして、「忠実な仲間」「忠良な相棒」ぐらいのことにはなるわけで、ニュアンスとしては、やはり「子分」に近い。新聞が一国の首相を評するにあたってヘッドラインに持ってくる言葉としては、十分に軽んじた言い方だと思う。
記事の中で、こんなエピソードが紹介されている。
Powered by リゾーム?