「天才は一人の人間の人生の中では完成しない。本物の天才が誕生するためには、二つの世代にまたがる時間が必要だ。以下に実例を示す。ベートーベンの親父は二流の音楽家だった。ピカソの親父は売れない絵描きだった。わかるだろうか。父親の失意と挫折があってこそ、息子の代に天才が結実するのである。ちなみに、オレの父親は半端な酒飲みだったけどな」

 この半端なオチは、後に私自身が本物の飲んだくれになったことで、笑えないジョークになった。

 私は何を言っているのだろう。
 ボクシングはそれを愛する人間に支離滅裂な原稿を書かせる。
 井上尚弥選手は本物のボクサーだ。
 いずれ世界一のボクサーになることだろう。
 私は、心から応援している。
 みなさんもぜひ応援してください。

(文・イラスト/小田嶋 隆)

いま初めて井上選手の動画を見て居住まいを正しております。
笑えないジョークのオチは、こちらをどうぞ。

 なぜ、オレだけが抜け出せたのか?
 30 代でアル中となり、医者に「50で人格崩壊、60で死にますよ」
 と宣告された著者が、酒をやめて20年以上が経った今、語る真実。
 なぜ人は、何かに依存するのか? 

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

<< 目次>>
告白
一日目 アル中に理由なし
二日目 オレはアル中じゃない
三日目 そして金と人が去った
四日目 酒と創作
五日目 「五〇で人格崩壊、六〇で死ぬ」
六日目 飲まない生活
七日目 アル中予備軍たちへ
八日目 アルコール依存症に代わる新たな脅威
告白を終えて

 日本随一のコラムニストが自らの体験を初告白し、
 現代の新たな依存「コミュニケーション依存症」に警鐘を鳴らす!

(本の紹介はこちらから)