実際、小池百合子氏は、豊洲問題でも都ファの代表人事でも、それらの以前から繰り返されてきた離党歴を見ても、過去の「しがらみ」を、見事に切り捨ててきた政治家だ。

 希望の党の代表に就任するにあたって、小池百合子さんは、自らの公式サイトにあった過去のコンテンツを削除している。

 その中には、原発の再稼働を容認する発言や、日本の核武装について「今後の国際情勢によっては検討すべきだ」と回答した2012年衆院選時点の一問一答も含まれている。

 おそらく、彼女にとって、これらのコンテンツは「しがらみ」に過ぎないのであって、そうした過去との行きがかりをまるっと無視するところに、未来なり希望があるというのが、彼女の立場なのであろう。

 なんともおそろしい政治家だ。
 が、機を見るに敏なその反射神経の鋭さと、どんな質問を浴びせられても常に悠揚迫らぬ落ち着いた態度で質問が求めているのとは違う回答を並べにかかる度胸の良さが、他の追随を許さないことはたしかで、この人のこのムードに頼もしさを感じる有権者がたくさんいることを、私は不思議には思わない。

 さて、三番目に民進党だが、これもなかなか大変なことになっている。

 確定的なところはいまひとつはっきりしないのだが、少なくとも現時点で報じられているところを総合すると、どうやら民進党が独自の政党としての生命を終えようとしていることはたしかなようだ。

 ついひと月ほど前の代表選を経て党の代表に就任した前原氏が、みずから「10月に予定されている衆院選の届け出政党とならず、公認候補を擁立しない方向で調整を始めた」と、少なくとも共同通信はそのように伝えている(こちら)。

 一方、希望の党の側が民進党の申し出というか秋波をどんなふうに受けとめているのかというと、

《--略-- 小池氏は27日夜のBSフジ番組で「集団で来られても一人ひとり、こちらが仲間として戦えるか決める」と述べ、公認候補を選別する考えを示した。安全保障や憲法を挙げ「党内で右だ、左だというのは正しくない。一人ひとりの考えを確認する」と語った。--略--》(こちら

 てなことになっている。

 なさけない話なのだが、あまりにもとんでもない状況過ぎて、理解が追いつかない。
 記事を読む限り、多数の現職議員をかかえる国政政党の党代表が、次の選挙に公認候補を認めることをせず、自らは無所属で立候補する決意を語っていることは間違いのない事実であるようで、ということは、これは、事実上の「解党」と解釈するほかにどうしようもないわけなのだが、これだけはっきり書いてあっても、いまだに私は記事の内容を「政治家が本当にこんなことをやるのだろうか」と、信じることができない。

 なんというべきなのか、それほど素っ頓狂なことが起こっているということなわけだ。

 で、その「解党」が、そのまま「希望の党」への合流なのかというと、さにあらずで、合流先の「希望の党」では、民進党出身の候補者を「選別」した上で、党に加えるつもりでいるという。