この問題が起こる以前、私は、「国籍」ということについて、ほとんど知識を持っていなかった。
 それが、おかげさまでというのかなんというのか、この2~3日でにわかに国籍法に詳しくなった。とはいえ、ひと通りネット上のソースを漁ってみたことを踏まえて、いま思っているのは、この種の問題については、変に些末な知識を蓄えるよりは、耳年増になる以前の、素朴な常識で判断した方が正しい判断が下せるのかもしれないということだ。

 細かい話をする前に、あらかじめ明らかにしておくが、私は、必ずしも、蓮舫議員の支持者ではない。

 政治姿勢や主張の内容にあまり共感できないということもあるが、それ以上に、ものの言い方や振る舞い方が好きになれない。ご本人に対面して、好きか嫌いかを問われたら、下を向いて黙らざるを得ないと思う。

 今回、私が、蓮舫議員の二重国籍問題について書くのは、彼女個人を擁護するためではない。
 誰に対してであれ、過去の国籍や、他国に残っているかもしれない形骸としての国籍表記をあげつらうような品の無い振る舞いをすることは許されないと思うから、そのことを書くだけのことだ。

 今回の問題に関して言えば、彼女に非は無い。
  日本の国政選挙に当選し、議員活動を長年行ってきた人間に
 「あなたのプライオリティは日本にあるのですか?」
 という質問をする記者がいるだろうか。疑うこと自体がどうかしている、と、私は思う。

 最初の段階で、産経新聞のインタビュアーが繰り出してきた

「二重国籍ではないか」
 という質問に対して
「質問の意味が分からない」
 と返したその答え方が不器用だったと言えば、そうは言えるかもしれない。

 が、この常識外で不躾な質問への回答として、蓮舫議員が答えた言葉が、全体として要領を得ないものだったのだとしても、そのこと自体は、致命的な失点ではない。

 何十年も昔の、自分が未成年だった時代の、さして重要でもなければよく覚えてもいない事柄について、とっさに秩序だった回答ができなかったからといって、そのことをただちに政治家としての資質を疑わせる失態として数え上げることはできない。

 この程度の回答ミスをことさらに問題視するのは、つまるところ、蓮舫議員という、かつて中国籍であった日本人と、はじめから日本の国籍を持って生まれてきた日本人を、別の日本人として扱おうとする人間である、と、自ら表明する行為にすぎない。