朝日新聞の意図や思惑はともかく、こういうアンケート結果が「世論」ということになると、多くの日本人は、与えられた「世論」なり「民意」に同調するはずで、その「同調」がわれわれを新しい場所に運んで行くことになる。これは避けることができない。

 よく聞く話だが、家電量販店の店員が顧客から尋ねられる質問で一番多いのが、
 「どの製品が一番お得か」
 でもなければ
 「どの製品が一番高性能か」
 でもなくて、
 「どれが一番売れているのか」
 だということが、この間の事情を物語っている。

 われわれは、リーダーに着いて行くのでもなければ、イデオロギーに誘導されるのでもなく、「みんな」という正体不明の存在に同調する形で新時代の扉を開くことになる。

 さきほど、グリーンスリーブスの歌詞を検索してみてはじめて知ったのだが、あれはどうやら、自分に残酷な仕打ちをした人間に変わらぬ愛を誓う歌だったようだ。

 なるほど、と思ってひとつひとつの言葉をかみしめている。

(文・イラスト/小田嶋 隆)

うちの娘の学校行事への反応がオダジマさんによく似ている!
将来がとても不安、いえ、楽しみです。

 小田嶋さんの新刊が久しぶりに出ました。本連載担当編集者も初耳の、抱腹絶倒かつ壮絶なエピソードが語られていて、嬉しいような、悔しいような。以下、版元ミシマ社さんからの紹介です。


 なぜ、オレだけが抜け出せたのか?
 30 代でアル中となり、医者に「50で人格崩壊、60で死にますよ」
 と宣告された著者が、酒をやめて20年以上が経った今、語る真実。
 なぜ人は、何かに依存するのか? 

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

<< 目次>>
告白
一日目 アル中に理由なし
二日目 オレはアル中じゃない
三日目 そして金と人が去った
四日目 酒と創作
五日目 「五〇で人格崩壊、六〇で死ぬ」
六日目 飲まない生活
七日目 アル中予備軍たちへ
八日目 アルコール依存症に代わる新たな脅威
告白を終えて

 日本随一のコラムニストが自らの体験を初告白し、
 現代の新たな依存「コミュニケーション依存症」に警鐘を鳴らす!

(本の紹介はこちらから)