
まず最初に。
7月15日更新分の連載「ア・ピース・オブ警句」の中で私が断言した
《誰が当選するのかはともかく、投票率が史上最低を記録することだけは現段階で断言して差し支えないと思う。》
という予言を、ものの見事にハズした件について、お詫びを申し上げたい。
私は選挙を舐めていたようだ。
のみならず、民主主義と都民を舐めていたのかもしれない。
予想をハズしたこと以上に、なによりもこの点(選挙と選挙民を舐めていたこと)を反省せねばならない。
政治方面の出来事に関して予測を外すことは珍しいことではない。というよりも、この10年ほど、私はほとんど毎回読みをハズし続けている。
とはいえ、これほど自信満々に断言した案件について、これほどまでにきれいに空振りをしたケースははじめてだ。
政治センスの欠如とは別に、ものの見方そのものが根本的に間違っている可能性を考えてみなければならないのだろう。
以上、お詫びと反省の言葉を述べた上で、以下、なぜ自分の読みが外れたのかについて考えてみたい。
選挙の前、私は
「これほど当選させたい候補者が見当たらない選挙は見たことがない。とすれば、多くの選挙民は投票意欲を持てないはずだ」
と考えていた。
ところが、投票率は、前回の数字をかなり上回っている(59.73%、2014年比で13.59ポイント高)。
この結果を踏まえて、もう一度分析をし直してみると、今回の都知事選は、
「当選させたくない候補者が雁首を揃えていた前代未聞の選挙戦」
だったわけで、それゆえに都民が
「絶対に当選させたくない候補者を当選させないために投票所に足を運んだ」
結果、投票率が上昇したということになる。
なんだかこじつけくさいが、私はそんなふうに見ている。
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