こうした批判に反発したのか、首相は、30日になって自らの「リーマン発言」を修正している。

《--略-- サミットにおける世界経済議論に関し、安倍首相は「私がリーマンショック前の状況に似ているとの認識を示したとの報道があるが、まったくの誤りである」と発言。「中国など新興国経済をめぐるいくつかの重要な指標で、リーマンショック以来の落ち込みをみせているとの事実を説明した」と述べたという。--略--(こちら)》

 私には、
《「リーマンショック前の状況に似ている」との認識を示した。》
 ことと
《「中国などの新興国をめぐるいくつかの経済指標で、リーマンショック以来の落ち込みを見せているとの事実を説明」した。》
 ことの間にある違いがよくわからない。
 どうしてこのような瑣末な言い回しの違いを言い立てて、自らの発言に関する報道を「まったくの誤り」と言い切ることができるのか、理解に苦しむ。

 ともあれ、こんな調子で、増税延期の下地は作られた。
 で、さすがに安倍首相の強弁ぶりに少々あきれていたわけなのだが、6月1日の記者会見を見て、あきれるというよりは、むしろ自分の方が責任を感じるみたいな奇妙な気持ちを抱くにいたっている次第だ。

 このうえ6月1日の記者会見について、逐語的に言いがかりをつけることは、面倒なのでやめておく。

 要旨については、ジャーナリストの江川紹子さんがツイッター上に書き込んでいた要約を転載させていただく。

《会見は要するに、日本経済はアベノミクスの成果が出ているが、中国など新興国の停滞で、世界経済はリスクに直面している。サミットで、その認識を各国リーダーと共有し、あらゆる政策を実行することになった。それで、「これまでの約束とは異なる新しい判断」をしたので、「参院選で国民の信を問う」と(こちら)》

 この直後のツイートで、江川さんは、
「あら、140字でかけちゃった……」
 とつぶやいている。

 実際、30分近くだらだらとしゃべった内容は、上にある140文字の中にほぼまるごとおさまっている。

 会見について幾人かの人々が指摘していたのは、
「新しい判断」
 という言葉のとてつもなさについてだった。