でもって、なんというのか、われわれは、
 「国会ってもしかして、バカの集まりだったわけなのか?」
 という、本来なら意識の上にのぼってきてはいけない質問に直面している次第なのだ。
 「っていうか、このレベルのヤツが議員なのか?」
 「うちの市議会以下じゃないか」
 「いや、底辺校の生徒会とどっこいだぞ」

 でも、現実に、その驚天動地のバカ質問は、テーブルの上に堂々と供されてしまったわけだ。

 質問を投げかけられた、太田理財局長は、

 「いや、お答えを申し上げます。あの、私は、公務員としてお仕えした方に一生懸命お仕えするのが仕事なんで。それをやられるとさすがに、いくらなんでも、そんなつもりはまったくありません! それはいくらなんでも……それはいくらなんでも、ご容赦ください!」

 と、いつもの冷静な姿とは違う、訴えかけるような口調で回答している。

 この時の太田氏の受け答えの様子も、当日夜のニュースにはじまって、翌日の各種情報番組で何度も何度もリピート再生されている。各局のワイドショーでリピート再生されたということは、それだけ衝撃度の高い映像だったということだ。

 このことは、国会が「ネタ」化していることを意味している。

 明るい時間帯の情報番組の制作スタッフが金科玉条のごとくに重視している鉄則は、硬軟善悪上品下品を問わず、とにかく見て面白い映像を再生するところにある。

 その意味で、和田議員と太田理財局長によるボケとツッコミのやりとりは、号泣議員の会見映像や虚言作曲家の弁明動画や、STAP細胞の不滅を訴える女性研究者のプレゼンVTRと同じく、人間の業の深さと愚かさを数秒の中に凝縮した極めて中身の濃いコンテンツだった。

 さて、われらが和田議員の質問は、過日、なぜなのか、公式の議事録から削除される運びになった。

 伝えられているところによれば、発言について、19日の理事会で野党が「公僕への侮辱」と抗議し、これを受け、和田氏が削除することに同意したのだという(こちら)。

 私は、この削除の意味をうまく自分に説明することができずにいる。