もうひとつ、目立たないニュースだが、2月22日の福島民友新聞に、外務省がソウルで企画した東日本大震災の復興PRイベントが、開催当日に中止となったニュースについての続報が載っている。この事件には、福島大うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員の開沼博氏が、

「県民の立場から海外へ情報を繰り返し伝えていく努力を続けることが大切だ」

 というコメントを寄せている(こちら)。

 3つのニュースは、短くまとめれば「老朽化した原発を延命することの是非」「原発事故の折り、東電が、メルトダウンの評価についてマニュアルの基準に従わずに過小評価・報告をしていた問題」「福島の復興をアピールする試みが停滞している問題」で、それぞれ、別の話だ。

 ただ、この時期に、3つの問題がまとまって記事化されたことには、一定の意味がある。

 というのも、この3つのニュースは、相互にあまり関連の無い話題であることはその通りなのだとして、その一方で、いずれも「原発の話題についての一般の日本人の忌避感ないしは食傷感」を反映した記事だと思うからだ。

 まず、22日の「福島復興PR」関連の記事について。
 この記事は、普通に読めば「外務省が企画した、ソウルでの福島復興PRイベント」に、予想外の反発が寄せられて催しそのものが中止においこまれた経緯を書き、その結果について有識者のコメントを求めただけのものだ。
 経緯の描写も開沼氏のコメントもごく穏当なものだ。
 ところが、このなんでもない記事に型通りの反発が寄せられる。

《開沼博(氏略)によると、外務省が企画したこのイベントに対する批判は、一部過激な層による福島県への差別やデマになるらしい。》

《しかも、「反原発団体(一部の過激な層)は国内外を問わずにいるが、それを抑える一般の人の感覚が日本にあって海外(韓国)には無いのだろう」という趣旨の独断と偏見を利用した日本国内向けのアピールと取れるけど、どうしてこうも威丈高になれるんだ。》 《外務省とタッグを組んで「海外へ情報を繰り返し伝えていく努力を続けることが大切だ」という発言は、歴史修正主義者の海外での「歴史戦」を進めるべきだ系の発言と重なって聞こえてくる。》

 福島の農産物や海産物については、原発事故からこれまでの5年近くの間、徹底的な安全調査が積み重ねられ、その結果としてのデータが、様々な方法で告知されている。たとえば、福島県のホームページには、福島産米の全袋全量調査の結果と経過を示す詳細な記録がもれなくアップされている(こちら)。

 この点については、事実をベースに話をしても良い時期に来ているはずだ。