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 ともかく、これを読んで、ちょっと謎が解けた気がしている。

 この記事は、単なるナンパ指南であるようでいて、もう少し不吉な何かを示唆している。

 書き手は、同誌の想定読者に対して
「おまえら、しょせんヤリたいわけだろ?」
 という感じの思い切り上から侮った問いを投げかけている。

 さらに、「ギャラ飲み」に集う女性たちに向けては
「君らはアレだよな? どうせオンナを武器に世渡りするほかにどうしようもないわけだろ?」
 的なこれまた著しく侮った決めつけを適用している。

 その一方で、女衒にはあからさまな憧れの感情を表出している。

 「運営側」に対する無条件の憧憬。
 他人をコントロールすることへの強烈な欲望。

 まるっきりな権力志向じゃないか。

 これはいったい何だろう?
 いわゆる中二病だろうか?
 単に悪ぶってみせているということなのか?

 とりあえず、ここで結論を出すことはせずにおく。

 ただ、「週刊SPA!」の周辺に
「真面目なヤツらはカタにはまっててどうしようもない」
 という気分を共有している人たちが集まっている気配はずっと前から感じていた。
 あるいは、私はその空気がイヤであの雑誌を開かなかったのかもしれない。

 結論を述べる。

 カタにハマっているのは、実は不真面目な人たちだ。

 真面目な人たちは、自分の人生に真面目な態度で臨んだことの結果として、良い意味でも悪い意味でも厄介な個性を手に入れることになる。

 不真面目な人たちはその境地に到達することができない。だから、半端な見栄を張ったり他人をランク付けしたりする。なんと哀れな人間たちではないか。

 いっそスパっと(以下略)

(文・イラスト/小田嶋 隆)

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上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

<< 目次>>
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二日目 オレはアル中じゃない
三日目 そして金と人が去った
四日目 酒と創作
五日目 「五〇で人格崩壊、六〇で死ぬ」
六日目 飲まない生活
七日目 アル中予備軍たちへ
八日目 アルコール依存症に代わる新たな脅威
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