分析2:困難を克服する活力「勇気」を補充せよ

 では、彼女のライフスタイル(性格)をずばり指摘し、変更するよう要望すればいいのだろうか? しかし、事はそんなに簡単ではない。幼少期から使い続けてきたライフスタイル(性格)を変えるのはとても難しいことだ。その困難にチャレンジするには「勇気」というエネルギーが必要だ。そして、A子さんにはその「勇気」(困難を克服する活力)が著しく欠乏している、と推測される。

 アドラー心理学では「不適切な行動の4段階」と呼ばれるパターンがある、と考える。たとえば子供が問題行動を起こす際には以下のような段階を踏む、というのだ。

第一段階:注目を集める 例:親に対して、「見て、見て」とねだる
第二段階:力を示す 例:大声を出し、手を引っ張る
第三段階:復讐する 例:親が嫌がることをわざとして困らせる
第四段階:弱さをひけらかす 例:無表情でぽつんと座る

 先の"困ったちゃん"A子さんは、既に第四段階まで進んでいる。つまり、困難を克服する活力「勇気」が著しく欠乏していると推測される。そんな彼女が自己変革という困難に立ち向かうとは思えない。まずは周囲の人間が彼女に勇気を補充することが必要だ。

 人は勇気があれば誰もが必ず「良くなろう」と努力を始める。しかし、そのために必要な時間は人それぞれであり、すぐに結果が出るとは限らない。また、周囲の関わり、すなわち「勇気づけ」が大切だ。そして、"困ったちゃん"のA子さんの回復を妨げる「勇気くじき」をなるべくしないようにすることも必要。周囲の人々が、何が勇気くじきであり、何が勇気づけであるかを知る。そこからサポートは始まる。