2015年度で最も販売部数が多かったビジネス書『嫌われる勇気 自己啓発の源流アドラー心理学』を筆頭に、拙著『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』『アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学』『アルフレッドアドラー人生に革命が起きる100の言葉』などで、一躍ブームの様相を呈しているアドラー心理学。本連載では「対人関係の心理学」と呼ばれるアドラー心理学を職場コミュニケーションに応用する方法を考察していきます。職場にはびこる様々な“困ったちゃん”をアドラー心理学で分析。傾向と対策を示します。
<今週の困ったちゃん>
“ため息アピール”で周囲を困らせる
営業事務 A子さん(32歳)
■症例■

 営業マン10人弱のアシスト業務を一手に引き受けるA子さん。業務量の多さは誰もが認めるところだ。しかし、いくら忙しいからといって、常にふてくされ、ため息ばかりをつかれては、周りはたまらない。彼女の様子はというと、毎日こんな感じだという……。

  • 朝から不機嫌そうに長々とため息「ふぅーーー」
  • 上司から仕事を頼まれるといかにも辛そうな表情
  • 少し叱られただけで、呆然と仕事が手につかない様子
  • 強く問題を指摘されると涙を流し、トイレに駆け込む
  • 会議の席では一言もしゃべらず下を向いて暗い表情
  • 休憩時間にはずらりと薬とサプリメントを並べ、頭痛や睡眠不足の話題を会話の端々に織り交ぜる……

 やがて、周囲は腫れ物に触るように彼女と接し、なるべく関わらないように距離を置き始めるのだった……。

 さて、彼女の内面で何が起きているのであろうか? 周囲はいったいどのように接すればいいのであろうか? アドラー心理学で傾向と対策を考えてみたい。