分析2:草食男子は「勇気不足」?

 もう1つの分析は、アドラー心理学の中核概念であり本連載でも繰り返し述べてきた「勇気」についてである。おそらくは草食男子と呼ばれる人々は総じて勇気が不足しているのではないか、と推測される。

 勇気が十分な状態であれば、人は誰もが優越を求め努力をしたり、協調したり、貢献したり、と建設的な行動を取ろうとする。つまり、放っておいても「良くなろう」とする、とアドラー心理学は考える。しかし、自信を失ったり、自己肯定感が低くなったりして、勇気が不足した状況になると、人は傷つくことを恐れて、非建設的な行動を取るようになる。例えば、自分を守るために攻撃的になったり、人間関係で傷つかないように人とつきあわないようにする、といった具合だ。

 その行動の1つが「管理職を目指さない」「責任ある仕事を引き受けたがらない」「叱られても気にしない(ように振る舞う)」という「欲」を持たない行動に表れているのかもしれない。つまり、本ケースの八木田さんは勇気不足である、というのが2つ目の仮説である。

 本コラムでは、八木田さんに関する分析を「究極目標の変化、バリエーションの拡大」および「勇気不足」の複合的要因である、と仮説をおいた上で、具体的な対処方法を考えてみたい。