「対人関係の心理学」と呼ばれるアドラー心理学を職場コミュニケーションに応用する方法を学びます。職場にはびこる“困ったちゃん”をアドラー心理学で分析。傾向と対策を示します。第4回は「欲なし草食系部下」編。
<今週の困ったちゃん>
超草食系男子
八木田草生くん(29歳)
■症例■

 バブル世代のA課長は悩んでいた。今時の草食男子・八木田草生さん(29)をどうモチベートしていいか、わからなかったからだ。
 A課長から見た、八木田さんの困った言動、意味が理解できない言動とは以下のようなものだ。

  • 「ぜひ管理職を目指してほしい」と伝えても「いえ、管理職にはなりたくありません」とにべもない返答
  • A課長が行っていた責任ある仕事を八木田さんに任せようとすると、「これ以上仕事を増やされてもこなせません」とストレートに断られた
  • 「やるじゃないか!」と仕事の成果をほめても「はぁ、別に普通じゃないっすか」とドライな反応
  • 顧客へのフォローが遅くなり、クレームになっても気にする様子なし。「すぐに連絡しなくちゃだめじゃないか!」と叱っても「はぁ、すみませんでした……」とまったく気にする様子がない
  • プライベートを尋ねてもあまり教えてくれない。どうやらつきあっている彼女はいないようだ。「別に必要ないですから……」と素っ気ない
  • 一方で休日にジムに通い体を鍛えている、と他社員からの情報も。「好きなことには熱中するのか……」と意外な発見も

 A課長は、考えれば考えるほど、八木田さんのことがわからなくなっていくのだった。頭の中には自分自身が新入社員時代に呼ばれた「新人類」という古い流行語が浮かび、「いつの時代にも、世代間ギャップはあるのだな……」とあきらめに似た気持ちがわいてくる。

 しかし一方で、実務にまじめでトータルでは仕事ができる部類に入る八木田さんを職場の中核リーダーに育てたい、という思いもある。その狭間で「どうすればいいのか……」と悩みは増すばかりであった。