楠本:我々、カフェ・カンパニーは運がよかった(笑)

沖中:私はとにかく、その3社に直接、自分が行って我々のビジョンと戦略を語り、強く共感いただいて、私自身もその会社のビジョンや戦略に共感する会社とやりたい、と考えていました。そして、最初に訪問したのが、カフェ・カンパニーさんでした。

 最初は、当時の専務の方に対応していただきました。僕がひととおり、自分の想いを話したあと、質問をしました。

 それは、「カフェって、一言でいうとなんですか?」というすごくシンプルなもの。そこには、「それを極めた人ならば、必ずシンプルな答えが返ってくるはずだ」と、自分の中には確信に近いものがあったからなんです。その時の専務さんがおっしゃったのが次の言葉。

 「カフェというのは、街の縁側なんですよ。家の中と外が緩やかに交差する場で、そこには陽だまりがあって、人が緩やかに集まっていて、そこから何かが生まれてくるような感じがするでしょう。だから縁側です。また、ビジネスの観点から言うと、カッコいいファミレスなんです。値段も手ごろで使い勝手がいいから、一日何度も利用する人もいる」

 その言葉を聞いて、私はカフェの本質を理解できたと感じ、その場で、この会社とやりたいと決めました。他の2社とのアポを取ることをやめてしまったんです。

 次に楠本さんとお会いして、一緒にご飯を食べて熱く語り合っていたら、「何をやるのかではない、誰とやるのかが大切だ」ということで、意気投合してしまいました。

小西:即決ですか。すごいですね(笑)。ちなみに、カフェが「街の縁側」だと言ったのは、おそらく楠本さんが一番最初ですよね。確か、もう15年ぐらい前の、カフェ・カンパニーの会社パンフレットにも明記されていましたから。ところで、その「縁側」の話からすぐに「伊右衛門サロン京都」の企画は形になっていったんですか?