この会議に出席していた常務委員たちは李克強の話に大笑いしたが、ある出席者は「“教育部(文部省)”がすでに学校などの教育機関が認証している学歴や学位などの証明を要求した」という、李克強の笑い話よりももっと馬鹿馬鹿しい話をしたという。

 インターネット上に掲載された“奇葩証明(へんてこな証明)”にまつわる話は枚挙にいとまがないが、数例を上げれば以下の通り。

(1)安徽省の老人が病気治療の資金を得ようと自宅を売りに出したら、“我老婆是我老婆(私の妻が私の妻である)”ことの証明を要求された。

(2)浙江省“諸曁(しょき)市”の市民は、母親が火葬されたことを証明する「火葬領収書」を後に取得しようとして、4年間に8回も葬儀場に足を運んだが未だに取得できていない。

(3)ある老人が死亡した後に1通の銀行通帳を残したので、その子供が銀行に行って預金を下ろそうとしたら、銀行の窓口に「口座名義人本人が直接来て預金を下ろすように」と言われた。

(4)ある人が政府機関の職場を解雇された際に誤って「すでに死亡」と登録されてしまった。まだ生きていることを証明するために、彼は多大な時間と労力を費やして多数の政府機関を走り回ったが、結局自分が生きていることを証明することはできなかった。

一生に400種以上の証明が必要

 統計によれば、中国人は一生に最大で400種以上の証明を必要とし、常用する証明は103種類に達している。証明に関わる政府部門は多種多様であり、そのうち、関与する証明の種類は“人力資源和社会保障部(人力資源社会保障部)”が最多で18種類に及んでいる。第2位の公安部は17種類、第3位の“民政部(総務省)”は14種類、第4位の教育部は12種類となっている。

 2015年11月18日、李克強総理は国務院の会議で再度“奇葩証明”の例を挙げた。すなわち、大学卒業後に雲南省“昆明市”に住んでいた女性が結婚して四川省“成都市”に住むようになり、何かと不便だから“戸口(戸籍)”を昆明市から成都市へ移そうとした。そこで、昆明市で以前居住していた地区の居民委員会、民政局、派出所、雲南省教育庁などを訪ねて戸籍移動の方法を聞いて回った結果、“婚前是未婚未育(結婚前は未婚で未出産)”の証明書を提出するように求められた。彼女は4回も成都と昆明の間を往復して奔走したが、らちが明かなかった。そこで、メディアの協力を求め、昆明市長ホットラインに事態を訴えてようやく戸籍の移動を完了したが、この間通算で8か月を要した。