さて、事件が明るみに出た11月7日、虹組の父母たちは親子園へ押しかけ、幼児を虐待した保育士たちをつるし上げた。ある母親は子供が1日に6回もチューブから「からし」を口に押し込まれた結果、その日の夜に子供は1時間に6回も下痢をしたと訴えたし、別の母親は子供たちが顔面にトイレ用の消毒液を噴射されたと憤った。また、保育士が幼児たちに睡眠薬を飲ませて眠らせていたこと、下痢の幼児のオムツを故意に取り換えなかったこと、食事を食べさせなかったことなどの事実も明るみに出た。

 激しい抗議を繰り返す父母たちの矢面に立った虹組の“班主任老師(組主任)”は、父母たちに土下座し、「私が間違っていました」と述べて涙ながらに謝罪したが、父母たちの怒りは収まらず、お返しとばかりに、彼女の口にピンク色のチューブから強引に「からし」を押し込んだ。

主犯は無免許の清掃員

 その後に判明したところでは、虐待を主導していた薄黄色のセーターを着ていた保育士(B)は、実際には保育士ではなく、単なる清掃員で、病気でないことを公的に証明する“健康証”は持っているものの、“幼児教師資格証(幼児教員免許)”は持っていなかった。携程公司は当該清掃員は募集に応募してきた者の中から面接で篩(ふるい)にかけて採用したのだというが、驚くことに、親子園の園長は清掃員に対して本来の業務以外に保育士の補助として幼児管理業務に介入することを認めていたのであった。さらに、携程公司は親子園の職員募集に際して、「幼児教員免許所持者優先」の一文はあったものの、幼児教員免許所持を必須条件とはしていなかったことも明らかになった。

 虹組の父母たちは子供に病院で健康診断を受けさせたが、子供たちには体の外傷のほか、一部に咳(せき)、下痢などの症状が見られただけでなく、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症が確認された者もいたという。

 

 11月7日、携程公司はこの事件を“上海市公安局長寧分局”へ通報したことで、警察が介入するところとなった。翌8日、携程公司は動画の映像が事実であることを公式に認め、事件の当事者である薄黄色のセーターを着た清掃員、保育士、組主任の3人、さらに職務怠慢の園長を加えた4人を解雇した。11月8日、上海市公安局長寧分局は事件に関与した親子園の園長および清掃員、保育士、組主任の計4人を拘束して取調べ、園長を除く3人の従業員は幼児虐待の容疑で刑事拘留された。一方、“長寧区人民検察院”は、未成年者の合法的権利の擁護を標榜して、早々に未成年者刑事検察部門の係官を親子園へ派遣し、事件に関する調査ならびに証拠固めを行わせしめた。

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