「食事デリバリーのプラスチック容器」が新たに

 さて、こうして汚染源の根絶に向けて歩みを進めている中国だが、国内では新たな汚染源が発生している。それは“外売送餐(食事デリバリー)”で使われるプラスチック容器である。「英国放送協会(BBC)」の中国語ネットは2017年10月21日付の記事で次のように報じている。

【1】中国ではインターネットの普及によりネットを通じて食事のデリバリーを依頼する人が、2017年6月末の時点で3億人近くに及び、しかも増大の趨勢にある。その消費額は2016年には250億米ドルであったが、2018年末には360億米ドルに増大するものと予測される。

【2】今や中国では都市の大通りや路地には必ずと言ってよいほどスクーターに乗ったデリバリー配達員の姿がある。人々はネット上で食事のデリバリーを注文して、事務室で食事が配達されてくるのを待つ。それは非常に便利で速いが、人々に食物の浪費やプラスチック容器などによる環境汚染などを想起させる。推計では、毎日約6500万個ものデリバリーに使われたプラスチック容器がごみ箱へ捨てられている。

 8月29日付の「中国青年網(ネット)」は、「デリバリーのプラスチック容器の使用量は大きく、毎週2億人分のデリバリーごみを発生させる」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

(1)昼時、北京市“海淀区”で働くメディア人の“小夏(夏君)”は昼食を食べ終わった。職場に食堂はなく、彼と同僚の昼食はいつもスマホでデリバリーを頼んで解決する。食事が終わった夏君が数えてみると、デリバリーを構成する米、主菜、副菜、汁物は一つずつプラスチック容器に盛られ、1食で4つのプラスチック容器が使われていた。これらの容器は職場の裏にあるごみ箱に捨てられるので、ごみ箱にはプラスチック容器が山を作っていた。ネットデリバリーが飛躍的なスピードで発展し、人々の食事をすこぶる便利にした反面、これまで以上の廃棄物を産み出した。プラスチック容器はごみ捨て場へ直行し、環境に隠れた災いをもたらした。どうすれば益々増えるプラスチック容器を少なくできるのか。どうすればデリバリー業界は環境保護に沿った発展を実現できるのか。これは多方面の施策を必要とする難問である。

(2)“美団外売(美団デリバリー)”、“餓了麽(腹減ったか)”、“百度外売(百度デリバリー)”などで構成されるネットデリバリー業界が発表しているデータによれば、前述の3社が全国で1日に受け取る注文書の総量は2000万件前後であるという。配達が迅速で、種類が多く、支払いが便利。中国に滞在する外国人はこれを評価して、「“高速鉄路(高速鉄道)”、“支付宝”<注3>、“共享単車(自転車シェアリング)”、“網購(ネットショッピング)”を除くと、中国の“外売(デリバリー)”は新四大発明の中の一つに数えられる」と述べたという。一般に1件の注文に対して使用するプラスチック容器は3.27個であるから、上記3社のデリバリーで毎日使用されるプラスチック容器は6000万個を上回る数量である。

<注3>IT企業“阿里巴巴集団(アリババグループ)”が提供する中国最大規模のオンライン決済サービス。