李宝華の死亡から11時間後の10月4日午前3時頃、浙江省北部に位置する“湖州市”の管轄下にある“長興県”でも医師が患者に襲われる事件が発生した。その概要は以下の通り。

酔っ払いが案内板で殴打

(1)10月4日午前3時頃、“長興県人民医院”で医師の“劉建峰”が救急内科の宿直に当たっていた時、酔っぱらった男性患者が救急診察室にやって来て、胃を保護するために生理食塩水を点滴してほしいと要求した。点滴をするには病歴が必要なので、劉建峰は患者に現在の症状と過去の病歴を質問したが、患者は劉建峰の質問がよく聞き取れず、酔っている状況下で劉建峰が自分を馬鹿にして笑ったと思い込み、やにわに床に置かれていた鉄製の案内板をつかむと劉建峰にたたき付けた。頭部に打撃を受けた劉建峰は、流血してその場に昏倒した。男性患者は激しい物音に驚いて駆け付けた医院の保安係に取り押さえられ、警察へ連行された。一方、劉建峰の症状は頭部軟部組織損傷による軽微な脳震盪と判定されたが、頭部を十数針縫って包帯を巻いた劉建峰は、入院して休息を取るよう命じられた。

(2)その日の午後10時30分頃、すでに19時間の休息を取った劉建峰は総合病棟の病室でベッドに横たわっていた。すると、突然に「助けて」という声が隣の病室から聞こえて来た。患者衣を着て頭に包帯を巻いた劉建峰は、声に反応して飛び起きると隣の病室へ駆け込んだ。そこで劉建峰が目にしたのは顔面蒼白で呼吸をしていない患者の姿で、非常に危険な状態だった。劉建峰はただちに患者の胸部圧迫を行って心肺蘇生を試みた。幸運にも5分後には患者の心拍が動き出して呼吸が回復し、患者は集中治療室(ICU)へ運ばれた。5分間にわたり胸部圧迫を続けた劉建峰は全身汗まみれになっていたが、自分の病室のベッドに戻って横たわると、今まで忘れていた頭部の痛みが復活したのだった。