9人中8人に「神経芽細胞」の基準超過

 そのうちの親9人はそれぞれの子供を連れて当初予定されていた南京市児童医院へ向かい、園児たちに健康診断を受診させた。その結果、腫瘍マーカー検査で9人中8人の園児に「神経芽細胞」の基準超過が認められた。これは同一検査で3回連続して基準超過だと、“腫瘤(腫瘍)”だと確認される深刻な事態である。ガンの潜伏期間は5年と言われるので、現在は問題なくとも、5年後にガンが発症しないという保証はない。また、1人の子供からは胃腸と脾臓のリンパ肥大が発見された。わずか園児9人でこの結果だから、園児全体ではどれだけの人数が健康に異常ありと判定されるか分からない。

 9月23日の午後、それまで無言を貫いて来た蕪湖市政府は、急きょメディアに対し本件に関する状況説明会を開催し、次のように報告を行った。すなわち、童馨幼稚園が消費期限切れの米酢と虫が涌いた米を使用していたことは明白であり、食品や食器および炊事用具に対する抜き取り検査の結果は10月7日に公表する。また、童馨幼稚園長の梁愛蓮は9月22日早朝に刑事拘留された。当該幼稚園の園児たちは安徽省内外の名の知れた医院で組織的に身体検査を受けている。一方で、幼稚園児の親たちは幼稚園の門を封鎖したり、道路や橋を封鎖するという違法行為を行っているが、これは法的責任を追及されることになろうと親たちに脅しをかけた。さらに、ネット上での情報発信に対しても厳粛に処理すると述べて、関連情報の拡散に歯止めをかけた。

 しかし、園児の親たちは、すでに幼稚園を卒業して小学校へ入学している子供たち、とくに小学1~2年生の健康状態はどうなのか大きな問題であると指摘した。彼らは2つの幼稚園のいずれかで数年を過ごした間に、非衛生的な食事を食べさせられていた可能性があるので、身体検査を行う必要がある小学生は恐らく1000人近い人数に上るものと思われる。さらに、親たちの間で流れている噂では、両幼稚園の責任者である梁愛蓮は地元の役人と親戚関係にあり、幼稚園の食堂で調理をしていた2人も苗字は“梁”なので、梁愛蓮と親戚関係にある可能性は高い。それが事実ならば、蕪湖市政府の調査結果が梁愛蓮に都合よく歪曲される可能性は否定できない。

 9月25日には幼稚園児の父母からの告発により、蕪湖市“弋江区(よくこうく)”に梁愛蓮が経営する「江岸明珠幼稚園」があることが判明し、同幼稚園でも不衛生な環境の下で消費期限切れ食材を使用した昼食が調理されて園児に提供されていたことが暴露された。

 9月29日の午後、蕪湖市政府は記者会見を開催し、9月19日に発生したことから“9.19事件”と呼ばれる上記の事件に関し報告を行った。その報告に中で、市政府は「9.19事件に関わる幼稚園の食品安全問題は、集団的な“食源性疾患(食品に起因する疾患)”を構成するものでなく、食品安全事故には含まれない」と結論付け、幼稚園を管轄するのは教育部門であり、食品の品質を監督する市場監督管理部門が介入するのは不適切と逃げを打った。