【9】上述したのは、張緒鵬が行った汚職の代表的な例に過ぎない。「奢れるものは久しからず」の言葉通り、寿県の行政を意のままに動かし、我が物顔で寿県の財政を食い物にしていた寿県党委員会書記の張緒鵬は、2014年5月に“淮北市検察院”によって収賄の容疑で立件され取り調べを受けた。2014年7月21日、“安徽省検察院”の指示を受けた淮北市検察院は、張緒鵬を立件して取り調べ、張緒鵬とその従弟の張緒剛が“兄弟斉心, 共同撈金(兄弟心を一つにして、共同でカネを手に入れる)”という形で犯罪を行った事実を確認した。8月11日、検察機関は初歩的調査の結果として、張緒鵬が寿県党委員会書記ならびに寿県県長の在職期間中に、職務を利用して他人のために土地開発や建設工事の便宜を図り、見返りとして不法に他人の財物を受け取ったが、その額は巨大であり、収賄の嫌疑がかかっていると発表した。

行きつく先は一家全員の腐敗

【10】それから2年後の2016年7月19日、“淮北市中級法院(地方裁判所)”は同事件に対し以下のような一審判決を下した。

 張緒鵬は職務を利用して他人の金品・物品を総額645万元(約9675万円)<内訳:単独収賄145万元、共同収賄500万元>受け取ったことにより、収賄罪で懲役11年および罰金210万元(約3150万円)、職権濫用罪で懲役3年とし、最終的に懲役12年、罰金210万元に処す。張緒剛は他人の金品・物品を500万元(約7500万円)受け取ったことにより、収賄罪で懲役10年および罰金175万元(約2625万円)に処す。

【11】7月29日、張緒剛は一審判決を不服として控訴し、二審を待つ状況にある。この事件について「検察日報」記者からコメントを求められた淮北市検察院“反貪局(汚職取締局)”副局長の“余権”は次のように語った。

 事件の審議を取り進める中で、多くの人々が張緒鵬を業務能力が高いだけでなく、論理の水準も高く、非常に優れた人材であると評価していた。但し、この人材は「才」に溺れる形で、最終的には汚職の道に迷い込んでしまった。張緒鵬は自らほしいままに賄賂を受け取っただけでなく、その兄弟、娘、姪、妻などの親族までが彼の影響力を利用して“権銭交易(権力とカネの癒着)”を繰り広げ、“不義之財(道義に反して作ったカネ)”で大儲けした。張緒鵬は、“全家福(一家全員の幸福)”を求めて、最後には“全家腐(一家全員の腐敗)”に陥った。

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