2013年に中国の軍関連メディアは、「“独生子女兵(一人っ子の兵士)”は闘志と苦労に耐える精神が欠乏している」と報じ、「26%の一人っ子の兵士が厳しい訓練に耐えられずに除隊を要求している」と伝えている。当然ながら、過去の農村部出身兵士に比べて、都市部出身兵士は教育や文化の水準が高く、人民解放軍の中で絶えず増加する新たな技術兵種に適応し、複雑な現代兵器を習得することも早いが、最も肝要な精神と忍耐の面で劣っているという。

 上述した「中国民兵」に掲載された徴兵検査の記事を読んだネットユーザーからは次のようなコメントが書き込まれた。

(a)毎日ネットにアクセスしたり、スマホを操作して、夜までゲームとオナニーにふけっているような奴が健康であるはずがない。

(b)今の若者の生活は快適過ぎる。彼らは一日中“葛優躺(葛優座り)”をしているだけで、役に立つことは何もしない。

拒否の罰金、1万元

 さて、ニュースサイト“中国網(ネット)”は2015年12月28日付で兵役拒否した5人の“90后”に関する記事を報じた。

 12月24日、河南省“商丘市”の管轄下にある“虞城県”の徴兵事務所は兵役の服務を拒否した若者5人に対する処理公告を発表した。“90后”である5人は、2015年9月に兵役の志願登録を行い、徴兵検査に合格して晴れて兵士となって部隊に配属された。しかし、志願してなった兵士の生活は厳しく辛いものであったし、部隊の規律や約束事で束縛されたくなかったことから、除隊を申し出たのだった。部隊は5人に対して何度も説得を試みたが、彼らの思想(考え方)は変わらず、思想を理由とする除隊として処理された。

 処理公告によれば、彼ら5人の行為は『兵役法』並びに『徴兵工作条例』およびその関連法律・法規に違反し、兵役服務拒否の違法行為を構成するとして、以下の処罰が下された。

1)経済処罰:罰金1万元(約16万円)を地元の鎮政府に納付すること。納付を拒否すれば、“虞城県人民法院(下級裁判所)”によって強制執行がなされる。

2)公務員および公務員が所管する労働者としての採用は不可。

3)2年間、公安機関による出国手続きを受けられない。

4)2年間、教育部門による進学手続きを受けられない。

5)共産党員(あるいは“共産主義青年団員”)の場合は当該組織の権限で厳粛に処分する。

6)『虞城県兵役服務拒否者ブラックリスト』にその名を載せて、メディアを通じて社会に公表する。

 中国の人民解放軍は世界最大の軍容を誇るが、それを構成する若い兵士に闘志と忍耐の精神が乏しいことは上記の記事からもうかがい知ることができる。かつて日本でも「またも負けたか8連隊」という言葉があり、大阪出身者の部隊である8連隊は弱いとされた。これは8連隊には大阪商人や金持ちの子弟が多かったことに起因するというが、実際に弱かったかどうかは分からない。果たして、人民解放軍の主体である若い兵士はどうなのだろうか。