中国国営の「新華社通信」は7月13日付で「全国の新都市計画人口は34億人、誰がそこに住むのか」と題する記事を配信した。その概要は以下の通り。

新城・新区の計画人口は34億人

(1)“特大城市(人口100万人以上の都市)”が人口を制限し、“中小城鎮(中小規模の都市と農村部にある町)”が人口増を図っている状況下で、一部の“中小城鎮”は発展の加速を切望し、次々と2020年および2030年の人口倍増目標を打ち出している。“国務院(日本の内閣に相当)”の関係データが示すところでは、不完全な統計によれば、2016年5月までの時点で、全国の県レベル以上の“新城(新都市)”・新区は3500か所を上回り、その計画人口は34億人に達しているという。

(2)この「県レベル以上の新都市・新区3500か所」の内訳は、国家レベルの新区:17カ所、国家レベルの経済技術開発区、ハイテク産業開発区、総合保税区、輸出加工区および旅行休暇区など:約500か所、省レベルの産業団地:1600か所以上、比較的大きな市の産業団地:1000か所などであり、県レベル以下の各種産業団地は1万カ所以上に上っている。

(3)一方、2015年の我が国の“城鎮化率(都市化率)”は56.1%であったが、「第13次5か年計画(2016~2020年)」では2020年までに我が国の常住人口と戸籍人口の都市化率をそれぞれ60%と45%に引き上げることが提起された<注2>。“国務院発展研究中心”の研究員である“李佐軍”は、「現在、我が国では戸籍人口の都市化率は39.9%であるから、今後さらに5%引き上げねばならないとすれば、1億人の戸籍を農村部から都市部へ移して定住させることが必要になるが、この任務は極めて困難である」と述べている。

<注2>「常住人口」とは、ある土地に6か月以上居住する人の数。「戸籍人口」とは、ある土地に戸籍を持つ人の数。農村部から都市部へ出稼ぎに来る農民は都市の戸籍を持たないで都市に6か月以上居住する場合が多いので、常住人口に数えられる。

(4)“華南城市規劃学会(華南都市計画学会)”会長で“暨南大学管理学院”教授の“胡剛”は、「34億人という計画人口は、中国の現在の人口規模<注3>の2.5倍であり、全世界の人口の半分を収容するに足る規模である」と述べている。また、“国家行政学院”教授の“汪玉凱”は、「中国では出産による人口増のピークはすでに過ぎており、たとえ全面的に“二胎(子供2人までの出産を認める政策)”を認めるとしても、人口増加の速度が大幅に上昇することはなく、都市化の主たる要素は農村部から都市部へ移住する人口である。しかし、農村部の人々の都市への移住願望や都市に定住する能力などを考慮すれば、どんなに計算しても、34億人分の“大坑(大きな穴)”をふさぐことはできない」と語った。

<注3>中国政府“国家統計局”のデータによれば、2015年末時点における中国の人口は13.75億人。

次ページ “二胎”政策でも住宅は埋まらず