2016年7月23日、河北省“民政庁”のウェブサイトは“救災処(災害救援課)”名で「7月23日18時までの全省における“洪澇(洪水と冠水)”の災害状況」と題する報告を掲載した。その内容は以下の通り。

 7月18日から21日まで我が省の大部分地区では降雨が続き、省内の一部地区では洪水と冠水の災害が発生すると同時に地滑りと土石流による災害が多発し、一部の被災者が孤立し、死者と行方不明者が発生した。23日18時までの時点で、全省の11市に属する148県(市、区)と“定州市、“辛集市”が被災し、被災人口は904万人、災害による死者は114人、行方不明者は111人に上った。また、30.89万人が緊急避難し、倒壊家屋は15.5万部屋、農作物の被災面積は7235km2、収穫全滅面積は300km2で、災害による直接経済損失は163.68億元(約2619億円)に達した。

死者114人…過少報告では?

 一口に「農作物の被災面積7235km2」と言うが、これは日本の「都道府県面積ランキング」で第16位に位置する宮城県の面積(7282km2)に匹敵する広さであり、収穫全滅面積300km2は東京23区の面積(621km2)の約半分に相当する広さである。それほどの面積が洪水と冠水により被害を受けたからこそ、被災人口が904万人に及んだのだが、死者と行方不明者はそれぞれ114人と111人であったというのである。但し、中国という国情を考えた場合、被災人口904万人に対して死者114人、行方不明者111人というのはあまりにも少ない感じがするのだが、果たしてそれは本当なのか。そこには実際の死者と行方不明者を過少に公表して人的被害の大きさを隠蔽している可能性はないのか。

 河北省の中南部に位置する“邢台(けいたい)市”は省都“石家荘(せっかそう)市”に南面し、「邯鄲(かんたん)の夢」の故事で名高い“邯鄲市”に北面している。さて、“大賢村”はその邢台市の管轄下にある“邢台県”に属する“東汪鎮”にある人口2000人規模の農村である。大賢村は邢台市経済開発区に隣接しており、将来の発展が期待されている。大賢村の南には邢台市西部の山岳を源流とする季節性の河川“七里河”が流れている。七里河は全長95kmで、上流部分を七里河、下流部分を“順水河”と呼ぶが、七里河部分は52kmあり、川幅は最も広い所で1700m、最も狭い所で130mである。