【3】若者たちはコートを半分ずつ使えばよいではないかと譲歩を示したが、老人側はこれを拒否し、またしても薄緑色ポロシャツ男がしゃしゃり出て若者のリーダー格と思われる白縁メガネの若者に対して口をひん曲げてわめき散らす。白縁メガネの若者は手振り身振りで反論するが、彼を取り囲んだ女性たちが口々に「夜7時以降は私たちがコートを使うと決まっているのだから、あんたたちはさっさと出て行け」とわめき立てる。若者側が老人たちに向かって「俺たちはあんたたちを殴るわけには行かないから、言葉で対抗するしかない」と言いつつ、“倚老売老(年寄ぶって威張る)”、“没素質(教養がない)”といった“罵語(ののしり言葉)”を投げた。これに対して老人たちからは若者たちに“耍流氓(ごろつき)”、“土匪(ならず者)”などという罵声が浴びせられた。

【4】こうした双方の口論が続いた後、動画の2分23秒からは画面がバスケットコートの塀際に変わる。そこには、大勢の老人たちに取り囲まれた上半身裸の若者が映し出された。彼は突然4~5人の男に塀に押し付けられ、後方から突然現れた赤色のTシャツを着た男に顔を殴られた。彼は次の打撃から身を守ろうと頭を下げたため、続けて後頭部を何発も殴られた。老人の不当な暴力に怒った若者はバスケットボールを手に持つと、集団の後ろに退いた赤色Tシャツ男に投げ付けようとしたが、仲間に押し止められた。怒りが収まらない若者は赤色Tシャツ男を追おうとしたが、周囲を固める老人たちに阻止された。若者が赤色Tシャツ男に向かって「“老不死的(死にぞこないめ)”」と怒鳴ると、老人たちは若者に向かって一斉に「お前は何という悪態をつくんだ。この馬鹿者め」と怒鳴り返した。

3日前から前哨戦、警官も追い返され…

 以上が動画の内容だが、実は若者たちと老人たちの対立がここに至るまでの前哨戦は3日前の5月28日から始まっていたのだった。その経緯は以下の通り。

5月28日:先にバスケットボールに興じていた若者たちが夜7時を過ぎてもバスケットコートを明け渡さないので、老人側はいつも通り大音量の音楽を流して広場舞を始め、若者たちとの間で口論となった。いくら論争してもらちが明かず、老人側は警察に出動を要求し、警察官1人と数人の公園保安員が到着した。しかし、警察官が若者に味方したため、老人側が警察官を取り囲んで口論となり、最後は怒った警察官が立ち去り、これと同時に若者たちもコートを後にした。

5月29日:若者たちがコートの周囲に置かれている長椅子をコートの真ん中に置き、若者側と老人側で半分ずつ使おうと提案した。しかし、老人側はこれを拒否したために口論となり、老人側は警察に通報した。20人ほどの警察官が到着して、老人側が流している大音量の音楽を止めたため、老人側と警察側が言い争いを始め、多勢に無勢の警察側は老人たちに包囲されて手も足の出せぬままバスケットコートから追い出された。この時、若者たちもコートから出たので、老人たちはいつも通り広場舞を楽しんだ。

5月30日:老人たちは若者たちが何か策を巡らしていると考え、事前にスマートフォンで動画を撮影する準備を行った上で、若者たちを故意に怒らせて、彼らが罵詈雑言を吐くところを撮影した。老人たちは若者たちを煽り立てた末に、「あたしを殴るなら、お前の家は(医療費で)破産するぞ」と脅したりした。老人たちのあまりの激しさに若者たちは大して抵抗せずにバスケットコートを去った。