中国各地に普及した「広場舞」。1億人市場は魅力的だが、様々なトラブルも(写真:Imaginechina/アフロ 2014年撮影)

 河南省“洛陽市”にある“王城公園”は又の名を“洛陽王城公園”と言い、十三王朝の都であった古都「洛陽」の“西工区”に所在する。王城公園という名は、“東周”(前770年~前256年)の“王城(帝都)”遺跡の上に作られたことに由来する。敷地面積72万m2の同公園は、東京ドーム(4万6755m2)15個分以上の広さを持ち、中国で最初の史跡公園であり、河南省最大の総合公園である。

 王城公園内にある“籃球場(バスケットコート)”は洛陽市内にはそれほど多くないバスケットコートの1つである。しかし、毎日1日の仕事を終えて憩いを求める人々がバスケットに興じようとする夜7時になると、多数の老人男女がバスケットコートを占領し、持参したプレーヤーで大音量の音楽を流して“広場舞(広場などで行われる集団ダンス)”を楽しみ、8時30分に終えるのが常態となっていた。

 2017年5月31日の夜7時頃、20歳前後の若者たち10人ほどが王城公園のバスケットコートでバスケットに興じていると、後からやって来た100人ほどの老人男女が若者たちにコートを明け渡すようにと居丈高に要求したことで言い争いとなり、最後には激高した老人の1人が1人の若者を殴る事件に発展した。若者たちがその状況を撮影した動画をネットにアップロードしたことで、この事件は世間に知られることになり、ネット上には横暴な老人たちを非難する書き込みが殺到して祭り状態になったのだった。

「言葉で対抗するしかない」若者 vs 殴る老人

 4分26秒の動画に撮られていた映像の内容は以下の通り。

【1】バスケットゴールでシュート練習をしている若者たちの向こう側で多数の老人男女が広場舞を始めた。そのうちに、薄緑色のポロシャツを着てメガネをかけた男が若者の1人に向かって「毎日夜7時からは俺たちが使うことになっているんだから、ここからとっとと出て行け」と罵声を浴びせた。これを受けた若者は「何を言っているんだ、ここはバスケットコートで広場舞の場所じゃない。そもそも毎日夜7時からあんたらがここで広場舞をするなんて誰が決めたんだ」と応じた。

【2】若者たちが薄緑色ポロシャツの男を無視してシュート練習を続けていると、その傍まで陣地を拡大した女性たちが故意に邪魔をしてくる。さらに、薄緑色のポロシャツ男がまたしても大声で「早く出て行け」と怒鳴り始めた。数を頼りにケンカ腰で迫るポロシャツ男に怒った紺色のランニングシャツを着た若者が「何だ、勝手なことを言うな」と応じると、その勢いに押された1人の老人が「まあまあ」と若者をなだめて押し止めた。