【6】CM撮影には薬品の説明書があればそれでよく、役者の薬品に対する知識で必要なのは、薬品名、主な成分と何の病気に効くかの3点だけで、後は役者に医学専門家を演じてもらい、薬のメリットを上手く話してもらえばよい。要するに、テレビ視聴者を医学専門家の肩書で神医に扮した役者の演技で騙し、彼らにほとんど効果のない薬を購入させれば良いのである。北京紙「北京青年報」が報じたところによれば、現在中国には劉洪濱以外で肩書や名前を変えて薬の通信販売CMに出演している神医は3人おり、劉洪濱を加えた4人を業界筋では「四大神医」と呼ぶのだという。

「四大神医」の残り3人も…

【7】劉洪濱を除く「四大神医」のうち3人について北京青年報は次のように報じている。

(A)“李熾明”:元“首都医科大学付属院”院長、米国留学の医学博士、「血栓溶解の第一人者」などの肩書を自称。「脂肪溶解による痩身」と「薬を飲まない糖尿病治療」に長けていると自認。

(B)“王志金”(別名:“王志今”):名前を常に変え、中華中医薬学会専門家、漢方医学の名門の第6代目、“解放軍465医院”の“少校(少佐)”軍医などを自称。“波尓徳細胞用糖療法”(詳細不詳)を表看板に糖尿病の治療に奇跡的な効果があるとしている。

(C)“高振宗”(別名;“高振忠”):名前を頻繁に変え、精力増強の専門家、“京城名医(国都の名医)”、“中国医学科学院”教授などを自称。掌紋を見ることで健康診断を行うのを得意とし、眼病と高血圧の治療も行う。

【8】これら「四大神医」はいずれも役者であり、彼らの役目はいかに医学専門家になりきって視聴者を信用させ、視聴者に彼らが宣伝する薬品を購入させることである。彼らが出演するテレビCMの多くは各テレビ局の健康番組として放映されるもので、その内容はアナウンサーが偽の医学専門家である彼らにインタビューする形で薬品の宣伝を行うのが通例で、宣伝する薬品が異なれば、彼らの名前や肩書も多様に変化する。劉洪濱を例に挙げれば、ここ数年の間に、チベット衛星テレビ(チベット自治区)、青海衛星テレビ(青海省)、甘粛衛星テレビ(甘粛省)、東南衛星テレビ(福建省)、遼寧衛星テレビ(遼寧省)、吉林衛星テレビ(吉林省)、黒龍江衛星テレビ(黒龍江省)などの健康番組で放映されたテレビCMに出演していた。その際にアナウンサーからインタビューを受ける側の劉洪濱扮する医学専門家に冠せられた肩書および宣伝販売した薬品名は上述の通りである。