厳しい財政状況に苦しむ地方都市も少なくない

 湖南省の東南部に位置する“耒陽(らいよう)市”は“衡陽市”の管轄下にある“県級市(県レベルの市)”である。耒陽市は中国四大発明の一つである「紙」の発明者として知られる後漢の宦官“蔡倫”(63年-121年)の故郷として知られ、“紙都”とも呼ばれている。

 “耒陽市人民政府”のホームページに掲載されている「耒陽市の概要」の要点をまとめると以下の通り。

【1】耒陽市の総面積は2656平方km<注1>で、常住人口は115万人である。耒陽市は2200年以上の歴史を有し、その名は改名されたことがなく、「“一帝三聖”の地」とほめたたえられている。それは、中国古代の伝説上の帝王である炎帝・神農が“耒”の地を創り、“紙聖”の蔡倫が誕生した地、“詩聖”の“杜甫”(712-770年)が死去して埋葬された地、“游聖(大旅行家)”の“徐霞客”(1586-1641年)が巡遊した地であることにちなんだものである。
<注1>東京都の面積が2191平方kmであるから、耒陽市の面積は東京都の1.2倍の広さである。

【2】耒陽市は交通の要であり、京広鉄道(北京-広州)、武広鉄道(武漢-広州)、京珠高速道路(北京-珠海)、107国道、320省道などが網の目のように市内を走っている。“耒水”、“春陵江”は四季通航可能で“湘江”に直通している。南下して広州市までは100分間、首都の北京市までは8時間、“南岳機場(南岳空港)”まではたったの40kmである。

【3】耒陽市は資源の一大宝庫である。すでに45種類の鉱物の埋蔵が確認されており、そのうち石炭の可採埋蔵量は5.6億トンで、全国の石炭生産市(県)ベスト100の一つである。発電の総電容量は140万kwで、湖南省で最大の県級エネルギー基地である。

【4】近年来、耒陽市は「まじめに実行し、全力で構造転換し、努力して全省の第一陣に復帰する」戦略目標を掲げ、積極的に経済の“新常態(ニューノーマル)”<注2>に適応し、発展の新たな機会を捉え、市経済の平穏で比較的速い発展を維持している。2017年は通年で域内総生産(GRP)452億元、前年比5.1%増を達成した。また、財政総収入は22.17億元を達成したが、そのうち税収は15.32億元で、前年比1.62億元増えて11.84%増であった。税収の財政総収入に占める比率は、2016年の50.43%から69.09%に上昇し、財政収入の質をさらに一歩高めた。
<注2>“新常態”とは、中国経済が高度成長期を終えて中高速成長期という新たな段階に入っていることを指すもので、「停滞しつつある中国経済に対しての構造改革」を意味する。

【5】社会固定資産投資総額は411.52億元で、15.2%増を達成した。産業比率は、第一次:16.1、第二次:37.6、第三次:46.3から第一次:17.04、第二次:36.03、第三次:46.93へ調整された。都市部住民と農村部住民1人当たり平均可処分所得は、それぞれ3万1858元(8.2%増)、1万8771元(7.5%増)であった。