6月10日、トラック運転手による全国規模のストライキは予定通り実施された。しかし、政府側から脅しを受けたり、運転手仲間の協調がうまくいかなかったりしたため、トラック運転手3000万人のうちのどれだけの人数がストライキに参加したのかは、中国政府による情報管制もあって確認されていない。

 但し、上海市、四川省、重慶市、湖北省、山東省、安徽省などの各地では多数のトラック運転手がストライキに参加したことが確認されている。彼らは高速道路に車列を並べ、橋を占拠して通行を妨げて、気勢を上げた。また、一部の地域ではストライキに参加した運転手が、ストライキに参加せず運送営業を行っていたトラックの通行を妨害したことで、双方の運転手間で暴力による衝突が発生し、一部のトラックは破壊されたという。

政府に対して生存権を保障するよう要求

 最近では一部の中国政府を後ろ盾とする物流会社が貨物の大口出荷元を独占し、運賃を安く抑えて、業務を拡大しているので、燃料価格の上昇やその他の各種要因により個人経営のトラック輸送業者が彼らと競合することは難しくなっているのが実情である。こうした厳しい状況下で、全国3000万人のトラック運転手は退路を断つ覚悟で1日限りのゼネラルストライキを敢行した。

 それは中国政府に対して彼らの生存権を保障するよう要求するものであった。トラック運転手の大多数は農村出身者で、家族を故郷に残した出稼ぎ者であるから、家族を養うための仕送りは欠かせない。そんな彼らが決起してゼネラルストライキに打って出たのは、生きるための最低条件の確保を求めたのである。

 果たして中国政府はトラック運転手が提起した『中国政府のトラックに関わる10の罪』の質問に答えて、何らかの改善策を提示するだろうか。米誌「ニューヨークタイムズ」によれば、今年に入って現在までに中国国内で報じられたストライキだけでも400件以上に及んでいるという。

 蓄積された庶民の不満が爆発すれば、いかな独裁体制を敷く中国共産党といえども安泰とは言えない。3000万人ものトラック運転手が一致団結してゼネラルストライキを敢行したことで、中国共産党指導部が肝を冷やしたであろうことは想像に難くない。