さて、Marinaが香港高等法院へ孔令輝に対する訴訟を提起したとの情報は、その日のうちにデュッセルドルフにいる孔令輝の許へ届いた。これに肝を冷やしたのは孔令輝だった。同日の夜10時26分、孔令輝は4年間も使っていなかった中国版ツイッターの“微博(Weibo)”を通じて声明を発表した。その内容は以下の通り。

ネットで弁明も、帰国命令

 声明:本日、メディアが次々と私がシンガポールのカジノに借金があるとのニュースを報じていますが、ここに関連状況について以下の通り表明します。

(1)2015年2月、私は関連組織部門の同意を得て、“春節放假(旧正月休暇)”の4日間を利用して、父母および親戚・友人を帯同してシンガポールへ旅行に行きました。宿泊したホテルの階下にはカジノがあり、親類・友人が遊びに行ったので、私も傍らで見ていました。この間に私は彼らがチップを賭けるのを手伝って、私の個人情報を残したのです。

(2)本日、メディアがこの事を報じた後、私はまず最初に当時現場にいた親戚・友人に電話を掛けて、あの時何があったかを問いただしたところ、当時誰かとカジノの間に発生した債務のもめ事が未だに終わっておらず、それが私を訴訟に巻き込んだことが判明しました。私はすぐにもカネが足りなかった人に名乗り出てもらい、事実を明らかにさせると同時に、法律の助けを借りて自分を守る権利を保留します。

(3)現在は正に世界卓球選手権の期間中であり、この事件の発生がチームにマイナスの影響を与えるのではないかと不安に思いますが、どうか皆さん信じてください。私と私のチームは力を合わせて一切の妨害を排除し、今回の世界卓球選手権に全力を尽くし、祖国の栄誉を勝ち取るために引き続き努力します。

 孔令輝の懸命な弁明にもかかわらず、翌日の5月30日に“中国乒乓球協会(中国卓球協会)”は同協会の公式ホームページに「孔令輝監督の職務一時停止」に関する通知を発表した。その内容は以下の通り。

 中国卓球協会はメディアから孔令輝の訴訟に関する状況を知った後、直ちに孔令輝に連絡を取って状況を把握した。本人がメディアの関連報道は事実であると述べていることに基づき、孔令輝の関連行為はすでに国家公務員の管理関連規定と規律要求に甚だしく違反していると考えられる。中国卓球協会は、孔令輝に対して中国卓球女子チーム監督の業務を一時停止し、深く反省して、直ちに帰国の上、さらなる調査と処分を受け入れるよう求める決定を行った。

 中国卓球協会は運動員、コーチおよび職員による社会道徳規範に違反するいかなる行為に断固反対する。孔令輝の行為に対してはさらに詳細な調査を行い、関連規定に基づいて厳粛に処分する。また、本件を深刻な警告と教訓として、運動員やコーチに対する教育管理、養成、チームの良好な思想方法と道徳イメージの確立を強化するものである。

中国卓球協会    2017年5月30日

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