「体験真功夫」が中国の十大武道師範の1人と報じた雷雷が、決闘試合で徐暁冬にわずか20秒でKOされたことに中国国民は大きな衝撃を受けた。決闘試合の後で、メディアのインタビューに答えた徐暁冬は、雷雷が出演した「体験真功夫」の楊氏太極拳特集について次のように述べた。

【1】試合の後で、私が「体験真功夫」に出演していた記者に連絡を入れたところ、記者は泣きながら次のように述べた。すなわち、西瓜は布団をかぶせて上からたたいで果肉を破壊しておいたものだし、ハトは脚を透明のプラスチック紐で手にくくり付けて飛べなくしたもので、いずれも脚色したインチキな映像だった。

【2】そこで、私があんたたち中央テレビはこともあろうにインチキをやるのかと言うと、記者は「中央テレビを侮辱することは許さない。我々は中央テレビと契約を結んでいる外部組織で、中央テレビではない」と答えた。これに対して私が、「それならあんたたちは中央テレビの4チャンネルで馬鹿な番組を放送しているということか」と返すと、記者は放送するしないの権限は我々にあるわけではなく、中央テレビのトップが決めることだと答え、「放送した番組中で視聴者は誰もハトの脚をプラスチック紐で結んでいたことには気付かなかったじゃないか」と述べた。

中国武術の各流派へ公開挑戦状

 「体験真功夫」という真の中国武道を紹介する番組がインチキな内容を放送していた事実は、徐暁冬が主張する「伝統武術はどれも詐欺だ」を裏付けるものであり、その思いをますます募らせるものとなった。試合後に判明したところによれば、雷雷は自身の“微博(マイクロブログ)”に20年のフィットネス経験を持ち、40歳で100kgのベンチプレスを挙げることに成功したと自慢気に書き、自身が持つ“高級保健按摩師”の証明書を掲載していた。

 証明書は2008年3月4日付と2013年1月29日付の2通で、そこには出生:1978年6月8日<注1>、“文化程度(学歴)”:“大専(高等専門学校)”とあり、職業欄には“保健按摩師(等級:技師)”とあった。武術師範だけでは食べて行けないからか、雷雷の本業はマッサージ師であったのである。

<注1>公称は42歳だが、実年齢は38歳であった。

 決闘試合で徐暁冬が雷雷をわずか20秒でKOしたことにいきり立ったのは、伝統武術を詐欺呼ばわりされた上に、雷雷の敗北で面子を失った全国の伝統武術家たちであった。一方の徐暁冬は“武術打假(武術の偽物を撲滅する)”の旗印の下、ネットを通じて3人の武術家を指名すると同時に武術の各流派に対して公開の挑戦状を送り付けた。その3人とは、 “李天金”(アリババ集団会長“馬雲(ジャック・マー)”の護衛)、“王占軍”(陳式太極拳第12代継承者、太極拳世界大会優勝者)、“一龍”(少林寺第一武僧と名乗る武闘家)であった。また、各流派とは、少林寺、崑崙(こんろん)派、峨眉(がび)派、青城派、崆峒(こうどう)派、武闘派、陳家溝太極拳などであった。彼らはそれぞれ徐暁冬の挑戦を受諾する方向で検討を始め、先行して陳式太極拳の王占軍が挑戦を受ける旨を表明した。