
2018年の干支(えと)は「戌(いぬ)」であるが、この干支に関する限り日本と中国は同一で、日本の「戌年」は中国の“戌年”である。但し、干支と関係がない場合は、日本では「犬」という漢字が用いられるのに対して、中国では“狗(発音:gou)”という漢字が用いられ、“軍犬(軍用犬)”や“牧犬(牧羊犬)”のように熟語になる時だけ“犬”という漢字が用いられる。
厳密に言うと、中国の干支は旧暦で用いられるので、2018年の“戌年”は春節(旧正月)の元旦である2月16日から始まることになるが、新暦の戌年が始まる前日の12月31日に湖南省の省都“長沙市”の繁華街で10分間に4人をかんだ犬が警官に撲殺される事件が起きた。1月4日付で江西省の新聞「信息日報」が報じた事件の概要は以下の通り。
書き込みにネットユーザー激怒
【1】12月31日の午後、あるネットユーザーが中国版Twitter“微博(weibo)”に次のような書き込みを行った。
長沙市“芙蓉路”にある上浦園バスターミナルの出入口で、大型犬の“金毛猟犬(ゴールデン・レトリーバー)”が何の原因か分からないが、1人の警官によって4時間も痛めつけられた末に死亡した。数人の通行人が警官を制止しようとしたが、警官は聞く耳を持たず、犬を死に至らしめたのだった。どんな原因があろうとも、このように1匹の犬を死ぬまで痛めつけるのは、見るに堪えない。なお、犬の飼い主はこの間ずっと現れなかった。この記事を読まれた方は転送して多くの人々に見てもらってください。警官ともあろう者がどうしてこのような人間性の無い事をすることができるのか(この微博には、路上に横たわる犬の血みどろな死骸を含む9枚の写真が添付されていた)。
【2】この書き込みを見た全国の微博ユーザーたちは、警官の残虐な行為に憤りを覚え、世論は公安局に事件の詳細を明らかにするよう要求した。これに答えた“長沙市公安局天心分局”は、同日夜に微博の公式アカウント「天心警事」で次のような説明を行った。
2017年12月31日午後3時頃、天心分局傘下の“金盆嶺派出所”は市民から芙蓉路で犬にかまれたとの通報を受けた。警官が速やかに現場へ駆けつけたところ、通報した市民の“冷某”(男、66歳)が犬に膝をかまれており、市民の“朱某”(男、23歳)も犬から攻撃を受けたが、着衣の厚さに助けられ、負傷はしなかったものの衣類はかみちぎられていた。警官には麻酔銃が配備されておらず、短時間に飼い主を見つけることは困難であり、ピストルを発砲すれば弾丸がはねて人を傷つける恐れがあったことから、当該犬がさらに多くの通行人をかむのを防止するため、警官は棍棒で犬を撲殺したものである。
『長沙市都市条例飼い犬管理規定』の第16条には、「狂犬病の疑いがある犬については、飼い主は主動して犬を制御あるいは捕殺しなければならない。制御あるいは捕殺ができない犬については、飼い主は直ちに公安機関と動物防疫監督機関へ報告しなければならない」とあることを忘れないでいただきたい。どうか市民は飼い犬の管理を強化し、他人を傷つけないようにしていただきたい。
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